Nothing But Requiem 背眼の魔女 プロローグ 「月下の金盞花」

Nothing But Requiem 背眼の魔女 プロローグ 「月下の金盞花」

歌名 Nothing But Requiem 背眼の魔女 プロローグ 「月下の金盞花」
歌手 Nothing But Requiem
专辑 Nothing But Requiem Remixes
原歌词
[00:00.000] プロローグ 『月下の金盞花』
[00:03.320] 身体に全く重力を感じない。
[00:08.520] それどころか、風や音も感じず、静寂に包まれている。
[00:15.880] まるで星の呪縛から解き放たれたかの様だ。
[00:21.960] ──ああ、これは夢だ……。
[00:30.000] 片桐真琴はそう思った。
[00:32.060] ただ、視界だけは鮮明で、広がる景色に真琴は戸惑いを覚える。
[00:38.940] 見知らぬビルの屋上。
[00:43.220] ライトアップされた樹々や石灯籠。
[00:47.560] そして、朝を待つ金盞花が群生していた。
[00:53.400] ここはどこかの空中庭園だろうか。
[01:00.000] 青白く輝く巨大な月を背に、真琴はゆっくりと歩を進めていた。
[01:06.180] その歩みは不確かで、覚束ない。
[01:10.960] 「真琴……」
[01:13.260] ふと、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
[01:19.380] 辺りを見回してみると、樹々の間に一人の少女が佇んでいる。
[01:26.840] 少女は真琴と同年代で、同じセーラー服を着ていた。
[01:32.480] セーラー服から覗く、白くて細い腕と脚。
[01:39.080] よく梳かされた腰まである長い髪が育ちの良さと気品を示している。
[01:48.060] 柔らかな眼差しと微笑みを湛えて、少女は真琴を見つめていた。
[02:00.000] 真琴は戸惑いを覚えた。
[02:03.720] 自身の名前を呼ぶこの少女の名前が思い当たらない。
[02:08.820] そもそも、少女は急に現れたのだろうか?
[02:12.520] それとも、ずっとこの場所に居たのだろうか?
[02:17.360] それすらも定かではなかった。
[02:21.900] 真琴の思考は霞がかかり、不明瞭だった。
[02:28.480] ただ……。
[02:30.000] 遠い記憶の底。
[02:31.680] 心の奥底から『わたしはこの少女を知っている!!』と声が聞こえてくる。
[02:40.260] 「真琴……金盞花の伝説……覚えてる?」
[02:49.560] 少女は再び真琴に話しかけた。
[02:52.120] その声はどこか親し気で、忘却の彼方にある感情を呼び覚ます。
[03:00.000] 「悠遠の昔。まだ人と神が共に暮らしていた頃。
[03:08.920] ある島に太陽神を心から尊敬していた少年が居ました。
[03:14.920] 太陽神は少年の崇敬に応えて愛情を注ぐ様になった。
[03:22.040] 太陽神と少年は互いに想い合い、幸せな日々を過ごした。
[03:30.000] でも……」
[03:37.280] 聞きいる内に、真琴は切なさで胸が締め付けられた。
[03:39.540] 自分にも大切な人と想い合う時間が有ったのだと気付かされる。
[03:46.380] 「二人の幸せを妬んだ雷雨の神が八日間もの間、
[03:54.140] 雨雲で太陽を隠してしまった……。
[04:00.000] 少年は太陽神と会えない日々に苦悩し、
[04:03.880] やがて恋焦がれて死んでしまう。
[04:09.480] 九日目にやっと雲が晴れて太陽神が目にしたのは、
[04:15.780] 変わり果てた少年の姿だった」
[04:21.200] 少女はその場にしゃがみ込み、そっと金盞花の花びらを撫でた。
[04:29.480] それは金盞花を慈しむ様で、たおやかな仕草だった。
[04:38.360] 「嘆き悲しんだ太陽神は変わらぬ愛の証に少年の亡骸を金盞花の花に変えた。
[04:50.740] だから、今も金盞花は太陽に向かって力強く咲く」
[04:59.480] 少女の話を聞き終えた真琴は心がざわつくのを感じた。
[05:07.620] ──わたしはこの物語を知っている……。でも……どこで……。
[05:16.640] 『わたしは大切な人とこの物語を共有した』と、
[05:23.740] そこまで思い出す事は出来ても、
[05:26.280] 肝心の自分の傍らに立つ存在をどうしても思い出せない。
[05:33.600] 全身を支配するぼんやりとした感覚が、真琴の思考の邪魔をする。
[05:41.640] 真琴は眉根を寄せ、下唇を噛んだ。
[05:47.900] 「ねぇ、真琴……」
[05:52.340] 真琴の困惑を見て取った少女はその場に立ち上がった。
[05:58.240] 少女は真っすぐに真琴を見つめた。
[06:02.540] 「真琴はわたしにとって……ずっと太陽なんだよ」
[06:12.260] 力強い視線と声に真琴の潜在意識は激しく揺さぶられた。
[06:18.300] 雲間から光が差し込む様に、だんだんと思考が鮮明になっていく。
[06:24.580] 今、真琴は少女の面影と名前をはっきりと思い出した。
[06:29.300] 「雅!!」
[06:35.860] 真琴は少女の……いや、唯一無二の親友の名前を叫んだ。
[06:40.180] その時だった。
[06:44.300] 「あははははははははははははははは……」
[06:52.700] 突如、けたたましい女の嗤い声が静寂を切り裂いた。
[06:57.580] 驚き、声の主を探すと、『ソレ』は金盞花の花園の中心に日傘を差して立っていた。
[07:05.780] 黒のジャボにピンクと黒を基調としたジャンパースカート。
[07:12.740] そして高価そうな留め具や装飾が施されたショートブーツを履いている。
[07:19.220] つば広の帽子からはカールした金髪があふれ出ていた。
[07:25.300] 夜だというのに日傘を差しているだけでも異様だが、
[07:29.300] 最も目を引くのはその日傘や帽子に描かれた模様だった。
[07:35.740] そこには神秘主義者が好みそうな紋様で『目』が描かれていた。
[07:42.720] 描かれているだけでは無い……紋様の中心では本物の眼球がうごめいている。
[07:51.980] 異様な存在は真琴へと向かって歩き始めた。
[07:57.780] 歩みを進める度にその足元の金盞花が萎れ、枯れてゆく。
[08:05.140] 出で立ちから女だと想像できるが、真琴には禍々しい存在にしか思えない。
[08:14.140] その存在は真琴まで数メートルの距離まで近付くとピタリと足を止めた。
[08:22.520] 思ったより背が低かったが、帽子を目深に被っている為にその表情の全てを窺い知る事は出来ない。
[08:32.300] ケバケバしいショッキングピンクで縁取られた唇が妖しく歪んだ。
[08:38.620] 「太陽ねぇ……」
[08:42.440] 女は億劫そうに呟くと、右手を真琴に向ってかざした。
[08:48.440] 次の瞬間、真琴の身体に金色に光り輝く紋様が浮かび上がった。
[08:56.320] 幾何学的な紋様はまるで蛇の様に真琴の身体を這い、呪縛する。
[09:29.200] 雅の首にも首輪の様に紋様が浮かび上がっており、叶わない様子だった。
[09:34.720] 「み……や……び……」
[09:38.820] 消え入りそうな声で親友の名を口にした後、真琴の双眸からは光が消えた。
[09:49.340] ──そう、これは夢だ……。
[09:55.100] 真琴は虚ろな表情で歩き出した。
[10:00.540] 今の真琴は意思を持たぬ操り人形そのものだ。
[10:07.220] 空中庭園の端までやって来ると、その細い指先をフェンスに絡めた。
[10:15.800] 眼下には遠く車のライトの河が見える。
[10:20.660] ガシャ。
[10:25.200] フェンスの上に立つと、真琴は両手を広げた。
[10:30.260] セーラー服が風に靡き、その姿は飛び立つ風を待つ鳥を連想させる。
[10:39.200] 「慙愧に堪えぬ我が身ゆえ、大願成就の贄ならん」
[10:48.200] 呪文の様な言葉が真琴の口をついて出た。
[10:53.200] 後ろからは甲高い女の嗤い声が聞こえてくる。
[11:02.560] 嗤い声を背に真琴はフェンスを蹴った。
[11:04.540] 華奢な身体が宙を舞い、落ちる。
[11:10.200] 闇夜に揺らめいた身体は重力を取り戻し、グングンと加速する。
[11:17.000] 落下速度に合わせて、真琴の思考はその健全さを取り戻した。
[11:23.440] 体の芯を落下の恐怖が駆け抜ける。
[11:35.160] まさに地面へと激突しようとした瞬間。
[11:38.260] 真琴の視界は真っ白な光で包まれた。
歌词翻译
[00:00.000] 序章『月下金盏花』
[00:03.320] 身体完全感受不到重力
[00:08.520] 不仅如此 连风声与声响都消失 被寂静包围着
[00:15.880] 仿佛从星辰的束缚中解放出来
[00:21.960] ──啊啊 这是梦……
[00:30.000] 片桐真琴如此想着
[00:32.060] 唯有视野异常清晰 面对展开的景色真琴感到困惑
[00:38.940] 陌生大厦的天台
[00:43.220] 被灯光照亮的树木与石灯笼
[00:47.560] 以及 等待黎明盛放的金盏花丛
[00:53.400] 这里难道是某处的空中庭园吗
[01:00.000] 背倚着青白辉映的巨月 真琴缓缓向前行走
[01:06.180] 步伐却飘忽不定 摇摇欲坠
[01:10.960]
[01:13.260] 忽然 似乎听见有人呼唤自己
[01:19.380] 环顾四周 树影间伫立着一名少女
[01:26.840] 少女与真琴同龄 穿着相同的水手服
[01:32.480] 从制服袖口露出的纤细手足白得透明
[01:39.080] 及腰的柔顺长发彰显着良好教养与优雅气质
[01:48.060] 少女凝视着真琴 目光温柔含笑
[02:00.000] 真琴感到困惑
[02:03.720] 怎么也想不起这个呼唤自己名字的少女是谁
[02:08.820] 她究竟是突然出现的?
[02:12.520] 还是始终就在这里?
[02:17.360] 连这点都无法确定
[02:21.900] 真琴的思绪如坠雾中 模糊不清
[02:28.480] 只是……
[02:30.000] 在记忆深渊的最底层
[02:31.680] 心灵深处传来呐喊『我认识这个少女!!』
[02:40.260] 「真琴……还记得金盏花的传说吗?」
[02:49.560] 少女再次对真琴开口
[02:52.120] 那声音莫名亲切 唤醒了遗忘已久的感情
[03:00.000] 「在遥远的过去 当人类还与神明共居之时
[03:08.920] 某座岛上有个衷心崇拜太阳神的少年
[03:14.920] 太阳神回应少年的虔诚 倾注了爱意
[03:22.040] 他们彼此相爱 度过了幸福时光
[03:30.000] 可是……」
[03:37.280] 听着听着 真琴胸口涌起揪心的痛楚
[03:39.540] 这才意识到自己也曾有过与挚爱相守的岁月
[03:46.380] 「嫉妒两人幸福的雷雨之神连续八日
[03:54.140] 用乌云遮蔽了太阳……
[04:00.000] 少年因无法见到太阳神而痛苦不堪
[04:03.880] 最终在相思中死去
[04:09.480] 第九日云散之时 太阳神看到的
[04:15.780] 已是少年冰冷的遗骸」
[04:21.200] 少女蹲下身 轻抚金盏花的花瓣
[04:29.480] 那怜爱的姿态宛如对待珍宝
[04:38.360] 「悲恸的太阳神为见证永恒之爱 将少年化作金盏花
[04:50.740] 所以至今金盏花仍向着太阳奋力绽放」
[04:59.480] 听完故事的瞬间 真琴心绪翻涌
[05:07.620] ──我知道这个故事……但是……在哪里……
[05:16.640] 『我曾与重要之人共享过这个传说』
[05:23.740] 虽然能回忆至此
[05:26.280] 却怎么也想不起此刻站在身旁的是谁
[05:33.600] 笼罩全身的朦胧感阻碍着思考
[05:41.640] 真琴蹙眉咬住下唇
[05:47.900] 「呐 真琴……」
[05:52.340] 察觉真琴的困惑 少女站起身来
[05:58.240] 笔直凝视着她
[06:02.540] 「真琴对我来说……永远是太阳啊」
[06:12.260] 这坚定的声音令真琴潜意识剧烈震荡
[06:18.300] 如云隙透光般 记忆逐渐清晰
[06:24.580] 此刻真琴终于想起少女的容颜与名字
[06:29.300]
[06:35.860] 真琴喊出了少女——不 是此生唯一挚友的名字
[06:40.180] 就在此时
[06:44.300] 「啊哈哈哈哈哈哈哈……」
[06:52.700] 尖锐的女声狞笑划破寂静
[06:57.580] 循声望去 『那东西』正撑着阳伞立于花丛中央
[07:05.780] 黑色罩衫配粉黑撞色连衣裙
[07:12.740] 短靴装饰着昂贵搭扣
[07:19.220] 宽檐帽下泻出蜷曲金发
[07:25.300] 深夜撑伞已足够诡异
[07:29.300] 但最骇人的是伞面与帽檐的纹样
[07:35.740] 神秘主义者钟情的图案中央
[07:42.720] 镶嵌着真实蠕动的眼球
[07:51.980] 异形之物向真琴迈步而来
[07:57.780] 所经之处的金盏花尽数枯萎
[08:05.140] 虽是人形装扮 在真琴眼中只觉邪气森然
[08:14.140] 在距真琴数米处 它突然停步
[08:22.520] 帽檐阴影遮蔽了全部表情
[08:32.300] 艳粉色勾勒的嘴唇诡异地扭曲
[08:38.620] 「太阳是吗……」
[08:42.440] 慵懒低语间 右手已对准真琴
[08:48.440] 霎时金光纹路浮现在真琴体表
[08:56.320] 几何图案如毒蛇般缠绕全身
[09:29.200] 雅颈间同样浮现出枷锁般的纹路
[09:34.720] 「雅……」
[09:38.820] 用气若游丝的声音呼唤挚友后 真琴眼中失去了光彩
[09:49.340] ──没错 这是梦……
[09:55.100] 真琴眼神空洞地迈开脚步
[10:00.540] 此刻的她宛如提线木偶
[10:07.220] 行至庭园边缘 纤细手指攀上围栏
[10:15.800] 脚下是川流不息的车灯长河
[10:20.660] 喀嗒
[10:25.200] 踏上栏杆的真琴张开双臂
[10:30.260] 水手服在风中翻飞 如待飞的白鸟
[10:39.200] 「以此惭罪之躯 献作宏愿祭品」
[10:48.200] 咒语般的词句脱口而出
[10:53.200] 身后传来刺耳的狞笑
[11:02.560] 真琴蹬离栏杆的瞬间
[11:04.540] 纤弱身躯在空中划出弧线
[11:10.200] 重获重力的身体加速坠落
[11:17.000] 下坠途中 意识突然清醒
[11:23.440] 恐惧如电流贯穿脊髓
[11:35.160] 就在即将触地的刹那
[11:38.260] 视野被纯白光芒淹没