[00:03.142] |
早苗:神奈子様!諏訪子様! |
[00:06.783] |
神奈子:おい、早苗!こっちだよ! |
[00:09.830] |
早苗:ああ、神奈子様!園側にいらしたんですね。 |
[00:13.603] |
諏訪子:私もいるよ! |
[00:14.856] |
早苗:諏訪子様も一緒にいらしたなら、ちょうどよかった。 |
[00:19.026] |
神奈子:うん、不思議な香りがするね。お茶を入れてくれたのかな。 |
[00:26.956] |
早苗:はい。滅多にないお茶が手に入りましたから、ぜひお二人にと思たんです。 |
[00:33.042] |
諏訪子:ええ?どれどれ? |
[00:37.199] |
早苗:福寿草煎じたものということ…… |
[00:38.942] |
諏訪子:ケケ!苦い!ケケ! |
[00:41.475] |
神奈子:それはまた滅多なものだな。 |
[00:45.083] |
早苗:はい。紅魔館のメイドの方から頂いました。強心作用があるから、血の気の追うそうな二人に合うのではっと。 |
[00:53.610] |
諏訪子:ええ、そ、そうか?あの吸血鬼のメイドめ! |
[00:59.427] |
神奈子:早苗はまだ飲んでないんだね。 |
[01:02.527] |
早苗:はい。私は健康なので、ぜひお二人にっと。黄色のかわいい花でしたから、お二人にも幸せを運んでくれそうと思ったんです。 |
[01:12.858] |
諏訪子:そ、それは…… |
[01:14.703] |
神奈子:なるほど。私にはかなり苦そうだよ。砂糖を持ってきてくれるのかな? |
[01:20.577] |
早苗:ああ、分かりました。 |
[01:22.509] |
諏訪子:私も砂糖大量にお願い! |
[01:25.344] |
早苗:はぁい! |
[01:28.848] |
諏訪子:福寿草って、強い薬にもあるけど、基本的に毒ですよ。 |
[01:34.795] |
神奈子:ああ、薬の専門家が扱う限りは、完全に毒だろうね。 |
[01:39.918] |
諏訪子:早苗ってば、あのメイドに騙されたのかな? |
[01:42.755] |
神奈子:いや、大方の吸血鬼だ。メイドに他の人にも薦めるように行ったのだろう。 |
[01:48.167] |
諏訪子:なんだってそんな? |
[01:49.764] |
神奈子:自分が味わた苦味を、他の連中にも味わせたかったかも知れないね。 |
[01:55.438] |
諏訪子:子様だなあいつ。 |
[01:58.065] |
神奈子:はは。永遠に赤い幼き月っか?なかなか興味深い存在でもあるよ。 |
[02:07.289] |
諏訪子:そう?ただの幼き吸血鬼に思えるけど。 |
[02:11.098] |
神奈子:彼女自身はわがままな子供のようだもね。諏訪子、その能力の噂を聞いたことは? |
[02:18.116] |
諏訪子:ええっと、運命を操る、だっけ? |
[02:23.244] |
神奈子:その通り。今回このお茶にしても、無意識にその能力が使われてるかも知れない。 |
[02:30.193] |
諏訪子:うん……どういう理由? |
[02:33.150] |
神奈子:福寿草の花言葉さ。 |
[02:35.257] |
諏訪子:うん? |
[02:36.499] |
神奈子:永久の幸福、幸せを招く、祝福。 |
[02:40.996] |
諏訪子:ええ?名前通り、縁起がいいものなんだ。 |
[02:44.254] |
神奈子:後は、思い出というのはある。 |
[02:48.502] |
諏訪子:思い出? |
[02:50.467] |
神奈子:それなりに早苗のことも気にかけている。そういうことかも知れないな。 |
[02:56.058] |
諏訪子:うん?ああ、なるほど。早苗はやっぱり、まだ? |
[03:04.375] |
神奈子:面出には出さないことから、何とも言えないけれど。恐らくね。 |
[03:09.445] |
諏訪子:外の世界……元の世界の思い出か? |
[03:15.086] |
神奈子:私たちの事情で、この世界で連れてきたが、それが本当にあの子の為だったのか? |
[03:21.393] |
諏訪子:やっぱりまた悩んでるんだ。 |
[03:23.978] |
神奈子:自分の居場所を奪われる悲しみ、知らないわけじゃないだろう? |
[03:30.397] |
諏訪子:奪った女に言われると、いろんな気分だもんね。 |
[03:33.885] |
神奈子:はは!まあ、私たちの場合はほとんど共同統治だったから問題ないけれど。 |
[03:40.267] |
諏訪子:そうか。外の世界での早苗は何方ことになってるの? |
[03:46.756] |
神奈子:存在しなかったことになっているはずだ。 |
[03:50.311] |
諏訪子:向こうで早苗を覚えている人は一人もいないっか。 |
[03:56.117] |
神奈子:諏訪子は忘れさられていなかったからな。おかげで共同統治になったけれど。 |
[04:02.203] |
諏訪子:私は皆が覚えていてくれたからね。だけど、そうか。早苗はもう戻れないんだ。 |
[04:11.807] |
神奈子:この世界で幸せになってくれるなら、私はそれが一番だと思うんだがね。 |
[04:17.460] |
諏訪子:そうだね。まあ、大丈夫だと思うよ。幻想郷は面白い所だもの。 |
[04:23.754] |
神奈子:うん、確かに。私もそうは思っているけれど、多少は気になってしまってね。 |
[04:30.056] |
諏訪子:へえ、神奈子は心配性だものな。 |
[04:33.695] |
早苗:お待たせしました! |
[04:35.309] |
神奈子:ああ、お帰り、早苗。 |
[04:36.888] |
諏訪子:って、散歩にそんなに山盛りの砂糖を持ってきたの? |
[04:40.176] |
早苗:はい!諏訪子様が大量にっとおっしゃったので、山盛りでお持ちしました。 |
[04:45.263] |
諏訪子:ええ、へへへ……真面目だな、早苗ってば。 |
[04:50.059] |
神奈子:大丈夫だよ、早苗。諏訪子は神様だからね。言ったことは責任をもって全部平らげるさ。 |
[04:56.987] |
諏訪子:ケーロ!うう、分かったよ!私、全部、ちゃんと食べるよ! |
[05:03.553] |
早苗:ふんふん~甘いので、食べ終わったらちゃんと歯を磨くの!忘れないようにしてくださいね。 |
[05:10.437] |
神奈子:うんうん、早苗はすっかりいいお母さんだな。 |
[05:14.191] |
諏訪子:うう、子孫に子供扱いされるのも慣れてきたよ。ほほほ…… |
[05:19.615] |
神奈子:ははは!よしよぉし! |
[05:22.805] |
諏訪子:ううん!神奈子まで子供扱いするな! |
[05:25.531] |
早苗:ふんふん。それにしても、お二人は本当に仲良しですね。 |
[05:30.645] |
神奈子:うん?ああ、付き合いが長いからね。 |
[05:34.643] |
諏訪子:最初は敵だったんだけどね。 |
[05:36.591] |
早苗:ええ。今のお二人の姿から、でも本気で争ったなんて信じられません。 |
[05:42.507] |
諏訪子:ひどいもんだったんだよ。神奈子は信者ぐっとりだろう。 |
[05:46.520] |
神奈子:諏訪子の祟り神っぷりの、なかなか凄かったじゃないか。 |
[05:50.101] |
早苗:へえ?お話では聞いていますけど、お二人はどんな戦いをされたのですか? |
[05:56.683] |
諏訪子:うん……じゃあ、早苗にも話そうっか? |
[06:01.805] |
早苗:ええ!ぜひ! |
[06:02.691] |
諏訪子:うわ!乗り気だね! |
[06:04.437] |
早苗:今後この世界で生き抜くには、挨拶代わりにとにかくバトルを仕掛けなければならないので、参考にしたいと思います。 |
[06:11.936] |
神奈子:あっ、うん……そうか? |
[06:15.286] |
諏訪子:これも幸せなのかな? |
[06:18.072] |
早苗:はい?どうかしましたか? |
[06:20.495] |
神奈子:いやいや、何でもないさ。こちらの話だよ。 |
[06:24.080] |
諏訪子:まあ、滅多に見えない福寿草のお茶を飲みながら、滅多に語られない話をするのもまた縁にしっかな。 |
[06:32.349] |
神奈子:うん。奇しくも私たちにとっての思い出話となるわけか。 |
[06:38.281] |
早苗:へへ、よろしくお願いします。 |
[06:42.445] |
神奈子:私が初めて諏訪子と会った時、諏訪子はそれはそれは禍々しい姿でな。 |
[06:50.022] |
諏訪子:へえ? |
[06:50.951] |
神奈子:無数の眼球は赤く、土気色をした皮膚は爛れ、体の至る所から多くの触手を生やし、若い娘に殻につかせては牙のびっしり生えた口の中に…… |
[07:03.445] |
諏訪子:こら!ないよ!うそうそ!早苗も信じないで! |
[07:07.800] |
神奈子:おや、祟り神と言えば、これぐらい黒々してるほうがいいかなっと。 |
[07:11.345] |
諏訪子:ああ、危ない。適当なこと語られる前に、私がちゃんとした史実を話さないと…… |
[07:17.915] |
早苗:ああ、ええっと、大丈夫ですよ、諏訪子様。私はし、信じてますが…… |
[07:25.332] |
諏訪子:えはは、神奈子に近寄りながら私を遠避けて見ないで! |
[07:30.169] |
神奈子:これが信仰の差だよ。諏訪子。 |
[07:33.565] |
諏訪子:納得できない! |
[07:35.531] |
早苗:ふんふん、冗談です、諏訪子様。ごめんなさい。 |
[07:39.101] |
神奈子:はは!まあ、ちゃんと語ろうが。 |
[07:42.833] |
諏訪子:うんうん。あれはもうずっと昔、神話の時代の話でね。 |
[07:49.836] |
神奈子:まだ日本が日本でさえなかった。全てが混沌とした頃のことだよ…… |