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「未完幻想トロイメライ」 |
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作曲∶RD-Sounds |
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「魔女に双子の兄を連れ去られ、 |
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その時の恐怖から声帯をも奪われた少女。 |
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声の出せなくなった彼女を目の当たりにした魔女は大いに喜び、 |
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気まぐれに命だけはとらずに生かし続けていた……」 |
[00:44.53] |
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泣き腫らした瞳には 幾度の夜が過ぎ去った現在も |
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あの日が網膜に薄く焼きついてた |
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家族に守られて 狭く優しいセカイに生きて |
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頼れる存在を失った少女は |
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沈黙の中で なけなしの勇気を持って |
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神にではなく自らに祈る―――― |
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幸せな記憶の詰まった家を 有無を言わさず |
[01:47.62] |
厄介払いだと家主に追い出され |
[01:55.94] |
眠る場所さえなく 手を差し伸べる者もいなくて |
[02:04.33] |
過酷な現実に打ちのめされるけど |
[02:13.42] |
「生きてさえいれば、必ず機は訪れる」、と |
[02:21.90] |
兄の言葉に想い馳せ涙拭う |
[02:29.88] |
仰ぎ視た深緑の夢 今は遠い幻想に消えて |
[02:38.34] |
もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ... |
[02:47.03] |
『この瞬間もどこかで。ねぇ、心配してるかな?』 |
[02:51.53] |
自分のことよりも 私の身を案じてる風景が |
[02:59.31] |
目に浮かぶようで胸が ah... 絞めつけられて―――― |
[03:09.31] |
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[03:10.93] |
「他に親類もおらず、頼れる者もいない。 |
[03:15.48] |
そんな少女が一人で簡単に生きていけるほど、 |
[03:19.04] |
この世界は優しくできてはいない。 |
[03:21.82] |
ましてや声の出せない彼女には、 |
[03:25.65] |
意志の疎通さえも難しくて……」 |
[03:29.08] |
故郷を離れ 一人では初めてゆく大きな街へ |
[03:38.07] |
不安抱え それでも負けないと決めて |
[03:46.81] |
どうにか拾われたのは 富豪の家での下働き |
[03:54.81] |
屋根の下眠れるだけで 涙が零れた―――― |
[04:03.05] |
『私、頑張ってるよ。なんとかやれてるよ』 |
[04:07.08] |
過保護な両親と 私を庇って囚われた兄の笑顔を想い |
[04:17.50] |
眠り...仰ぐ深緑の夢 今は遠い幻想に消えて |
[04:27.25] |
もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ... |
[04:35.57] |
『きっと逢いに行くから、守られてばかりの私だったけれど……』 |
[04:43.22] |
少女はその唇を噛み締めて 淡い決意に枕を濡らした―――― |
[04:58.67] |
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[05:10.76] |
「ある朝、水を汲みに井戸にいくと、 |
[05:13.90] |
見たことのない二人が隠れるようにして体を拭っていた。 |
[05:19.16] |
僅かだけ垣間見えた彼らの素肌には、 |
[05:23.45] |
確かに魔女の烙印があって……」 |
[05:26.74] |
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[05:28.65] |
「ねぇ、見られてるっ!」 |
[05:30.54] |
「くっ、行くぞっ」 「……っ」 |
[05:34.43] |
「少女は必死に引き留めようとするものの、 |
[05:37.37] |
声が出ずそれも叶わない。 |
[05:39.93] |
仕事を放り出し、無心で二人を追いかける。 |
[05:44.10] |
きっと彼らは兄と一緒に、 |
[05:47.98] |
魔女の城に囚われていた人達に違いないと確信して。 |
[05:52.40] |
離れ離れになってしまった兄の事が聞けるかもしれないと、 |
[05:57.56] |
期待に胸を膨らませて……」 |
[06:00.53] |
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[06:03.53] |
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[06:06.53] |
【 おわり 】 |