| [00:07.489] |
これは、僕の最後の記憶だ。あの長い夢の、最後の記憶 |
| [00:16.934] |
君が望むなら、もう一度語って聞かせよ |
| [00:21.698] |
叶うはずがない、僕の最後の嘘 |
| [00:30.445] |
|
| [00:49.154] |
やめて!緋影くん!銃を下ろして! |
| [00:52.155] |
僕は初めから間違っていたんだ、妹を殺したのも、 |
| [00:56.900] |
この狭間を作り出したのも 僕自身だ!もう……こうするしか…ない! |
| [01:04.387] |
そんなことない!生き返る方法が、やり直せる方法が!まだ—— |
| [01:09.153] |
僕は罪を犯した!その報いを受けなければならない。 |
| [01:13.639] |
……! |
| [01:15.411] |
この狭間は、カゲロウのようなもの。ただの……亡霊の夢だ。 |
| [01:22.636] |
夢はいつか覚める、僕も君も、目覚める時が来たんだ。 |
| [01:27.393] |
緋影くん!!……足がうまく動かない!どうして?! |
| [01:35.404] |
緋影くんを止めなくちゃいけないのに……!やめて!お願い! |
| [01:42.160] |
あ……!白い蝶…… |
| [01:45.647] |
蝶?…ウサギちゃん?助けてくれるの? |
| [01:53.647] |
……あ!足が、動いた!緋影くん! |
| [02:01.152] |
うっ!…紅百合、退くんだ!君まで巻き込もうとは思わない! |
| [02:10.141] |
そんなこと言わないで! |
| [02:11.650] |
……紅百合…? |
| [02:15.901] |
緋影くん、やっぱりウサギちゃんと兄弟だね。 |
| [02:21.149] |
ウサギちゃんも言ってたんだ、巻き込みたくないって。 |
| [02:26.390] |
……あの子が? |
| [02:28.153] |
でも、それってすごく寂しいことなんだよ。 |
| [02:32.890] |
大切な人が辛そうな時に、側にいられないのは、 |
| [02:37.138] |
すごく悲しいの……自分で命をたつなんてやめて、 |
| [02:44.148] |
そんなこと、絶対にしないで! |
| [02:48.147] |
君たちを陥れようとしたのは僕だ!恨んで、憎んで、 |
| [02:54.147] |
殺したっていい!それなのに、君は……なぜ……泣くんだ。 |
| [03:04.892] |
緋影くん…… |
| [03:05.889] |
だから、近づくなと言ったのに。君は……最後の最後まで、 |
| [03:16.396] |
勝手に死なせてもくれない。こうして存在することを許すなんて…… |
| [03:23.103] |
君に消える恐怖を与えたくなっかたのに。 |
| [03:26.097] |
え……? |
| [03:29.859] |
見えるだろう、館が崩れていくのが。 |
| [03:34.095] |
僕が作り出した世界は、僕の意志なき今、壊れようとしている。 |
| [03:44.790] |
狭間の世界が…壊れるの? |
| [03:47.537] |
ああ。でも、心配しなくていい、君はまだ生きている、 |
| [03:54.051] |
このまま現世に戻れるだろう。ただ… |
| [03:59.046] |
ただ? |
| [04:00.837] |
僕といると、狭間の崩壊を目のあたりにしなければいけない。 |
| [04:05.840] |
自分という存在が、次第に消えていく恐怖、それに耐えられるか…… |
| [04:11.845] |
緋影くんが死んちゃうところを見るより、全然マシだよ。 |
| [04:16.097] |
ふふ…だから、僕はもう死んでいると言っているのに。 |
| [04:21.587] |
ううん、違うよ、緋影くんは一緒にここで生きてたよ。 |
| [04:28.588] |
私と一緒に話して、毎日を過ごしてた。その緋影くんを、私は—— |
| [04:35.594] |
紅百合…………そうだな、これで最後なら、 |
| [04:46.599] |
少しだけ……少しだけ君の時間を僕にくれ。 |
| [04:52.341] |
夢が覚める前に、少しだけ、生きている温もりが欲しい。 |
| [05:03.338] |
本当は、君をこうして腕のなかに抱いてしまう前に、 |
| [05:08.333] |
終わりにしたかったんだ。 |
| [05:10.098] |
どうして? |
| [05:11.851] |
狭間は、僕の思念の力が作用する世界だ、 |
| [05:16.086] |
消えたくないと思うことで、 |
| [05:18.837] |
君をここに縛りつけてしまうんじゃないかと、怖くなった。 |
| [05:23.844] |
もう、大切な人を苦しめることはしたくない。 |
| [05:28.342] |
大切な…人? |
| [05:31.341] |
認めたくはないけどね。でも、もう手遅れだ。 |
| [05:37.832] |
戻れなくなっても、文句は言うなよ。 |
| [05:41.085] |
それは、緋影くんが私を忘れたくないって…思ってくれてるってこと? |
| [05:48.593] |
認めたくはないけど。 |
| [05:50.840] |
ふふぅ…… |
| [05:52.086] |
なっ…!どうして笑うんだ? |
| [05:55.099] |
やっぱり緋影くんは緋影くんだね、こんな時でも素直じゃない~ |
| [06:00.089] |
それを言うなら、最後までお節介を焼く君も君だな。 |
| [06:06.339] |
顔をよく見せてくれ。 |
| [06:08.026] |
顔? |
| [06:09.023] |
そうだ。君の頬、瞳、唇、すべてをここで刻みたい。 |
| [06:19.275] |
君は忘れてもいいから、いや、僕のことなんか忘れてくれ。 |
| [06:25.031] |
そんな!……?!緋影くんの顔が…よく見えない、どうして? |
| [06:35.032] |
終わりが近いんだ。お互いの姿もいずれ見えなくなる。 |
| [06:39.795] |
う…嫌だよ!私も全部覚えていたい、緋影くんと、もっと—— |
| [06:45.787] |
もういいよ、それ以上、言わないでくれ。 |
| [06:52.028] |
君の唇は温かいな、指先からわかる、触れると、もっと触れたくなる。 |
| [07:01.288] |
もっとたくさんの時間を、君と過ごしたくなる。 |
| [07:05.540] |
私も、もっと緋影くんと一緒にいたいよ。 |
| [07:10.284] |
また、泣いているのか?頬が濡れている。 |
| [07:15.526] |
緋影くん…… |
| [07:21.231] |
そんなふうに手を押さえつけたら、涙が拭えない。 |
| [07:25.983] |
緋影くんの手、温かいね。こうしてずっと触っていてほしい。 |
| [07:35.977] |
一緒にいて、せめて夢から覚めるまでは。 |
| [07:40.919] |
ふふ、都合のいい夢だな、散々好き勝手をしておいて、 |
| [07:47.173] |
最後には救われる、僕のような人間には相応しくない。 |
| [07:53.168] |
けど、心地いい夢だ。 |
| [07:57.174] |
でも私は、別の夢も見たかったよ。 |
| [08:01.605] |
うん?どんな? |
| [08:03.867] |
太陽の下で普通に喋って、遊んで、一緒に学校行ったりして。 |
| [08:12.354] |
緋影くんの色んな顔を見たかったなぁ。 |
| [08:16.309] |
学校なんて、ただ勉強するだけの場所だろう、何が楽しい。 |
| [08:21.811] |
楽しいよ!緋影くんと一緒に勉強して、 |
| [08:25.568] |
普通の生活をするだけでも、きっと楽しい。 |
| [08:32.073] |
……それだけでいいのか?意外と欲がないな。 |
| [08:36.055] |
じゃあ、緋影くんは? |
| [08:38.311] |
こうやって、手を取って、君のそばにいて、見つめていたい。 |
| [08:46.562] |
口を開けば、余計なことを言ってしまいそうだから。 |
| [08:49.568] |
あ…… |
| [08:51.531] |
何だ、急に照れたりするな、こっちまで恥ずかしくなるじゃないか。 |
| [08:58.015] |
よく見えなくても、体温が上がったのは分かるんだからな。 |
| [09:03.268] |
本当だ、緋影くんの手も熱い。へへ、同じだね。 |
| [09:10.768] |
ねぇ、緋影くん。 |
| [09:14.029] |
何だ? |
| [09:15.775] |
今こんなことを言うと、緋影くんは困るかもしれないけど。 |
| [09:23.019] |
私、緋影くんのことが…好き。 |
| [09:28.027] |
……知っているよ。 |
| [09:31.703] |
うん。でも、ちゃんと言葉にしたかったの。 |
| [09:36.725] |
今はもう、そうすることでしか伝えられないから。 |
| [09:41.213] |
……ふぅ。 |
| [09:42.470] |
緋影くん? |
| [09:43.717] |
言葉以外にも、伝える方法はある。 |
| [09:47.469] |
それって……うん! |
| [09:51.974] |
これが、僕の気持ちだ。 |
| [09:54.716] |
あ……! |
| [09:57.472] |
最後まで、君からは奪うことしか出来なっかたな。 |
| [10:02.716] |
ううん、ちゃんと伝わってるよ。 |
| [10:07.914] |
でも、もっと緋影くんを見ていたいのに、 |
| [10:11.419] |
目がかすんで……遠いところにいるみたい。 |
| [10:17.930] |
なら、もっと近づけばいい。 |
| [10:21.661] |
お互いしか分からなくなるくらい、近く。 |
| [10:26.366] |
本当に消えちゃうの? |
| [10:28.372] |
紅百合、これは夢だから、覚めれば現実が待っている。 |
| [10:34.880] |
でも—— |
| [10:35.619] |
そこは幸せな現実だ、君は友人に囲まれ、 |
| [10:40.623] |
幸せな生活を送り、幸せな毎日を過ごす。 |
| [10:45.856] |
僕は君と同じような学生として生まれ、毎日を過ごしている。 |
| [10:51.363] |
初めは僕も君も、お互いに気づかない。 |
| [10:55.610] |
けれど、いつか必ず、君を見つけ出してみせる。 |
| [11:02.126] |
見つけ出して、今と同じように、君に振れるから。 |
| [11:08.619] |
君は、それに気が付いたら、振り向いてくれ。 |
| [11:15.375] |
……分かった、これが最後じゃないんだね。 |
| [11:21.867] |
ああ、君は現実に戻るだけだ、そこからまた、始めればいい。 |
| [11:29.056] |
………… |
| [11:31.556] |
また、向こうで会おう、特に何ということもない、 |
| [11:35.806] |
普通の生活を楽しみにしているよ。 |
| [11:38.550] |
こんな時までそんな言い方なの? |
| [11:41.054] |
仕方がないだろ、これが僕だから。 |
| [11:44.799] |
うん……そうだったね。 |
| [11:49.310] |
私も……緋影くんと会えるの……楽しみにしている。 |
| [11:57.302] |
さよなら、紅百合。また、出会う時まで。 |