月の珊瑚2

月の珊瑚2

歌名 月の珊瑚2
歌手 坂本真綾
专辑 『坂本真綾の満月朗読館』最終夜·月の珊瑚
原歌词
[00:01.48] (三)
[00:03.96] ディスレクシア、学習障害の一種。
[00:09.94] 知能水準は平均に達していながら
[00:12.86] 文字を正しく理解しない症状。
[00:16.42] ディスレクシアにとって
[00:18.34] 文字は水面にこぼれた油のように映るという。
[00:22.97] 私の耳はそれに近い
[00:27.06] 生まれつき音の美しさが分からない。
[00:31.83] 音に頼る情報を
[00:33.71] 情報として理解できない。
[00:36.93] 私にとって世界は
[00:38.91] テキストとテクスチャーで構成されるものだ。
[00:42.94] 誕生から永眠する時まで
[00:45.72] 会話とは無縁だった。
[00:50.24] そんな人間が
[00:51.54] こんなカタチで記録を残すのは不本意だが
[00:54.77] 仕方がない。
[00:57.24] 彼女は多くの事柄を貪欲に学んだが
[01:00.56] 読み書きだけは、最後まで修得しなかった。
[01:06.74] 私が生まれた時、既に西暦は失われていた。
[01:12.37] 人類は末期を通り越し
[01:14.75] 後は永眠するだけのターンに差し掛かっていた。
[01:19.90] 復興された第十二衛星都市が私の故郷だ。
[01:24.88] 人口一万人をかろうじて維持する
[01:27.76] 優れた文明圏と言えるだろう。
[01:31.43] その年、第十二衛星都市での死亡数は1
[01:37.06] 誕生数は0だった。
[01:40.65] かつてこの惑星では
[01:42.67] 一秒のうちに一人の命が失われ
[01:46.01] 三人の命が誕生していたと記録に残っている。
[01:50.76] マイナスよりプラスの方がやや上回る
[01:54.38] それが人間の、種としての優位性だった。
[01:59.06] その優位性は、もはや見る影もない
[02:04.48] 反面、地上の環境問題は軒並み解決していた。
[02:09.68] 人類が解決したのではなく
[02:12.56] この惑星が長い忍耐のすえ持ち直した結果だ。
[02:18.59] 太陽と水と空気は貴重なものになったが
[02:22.16] 依然として地に満ちている。
[02:25.44] かつてのような繁栄は望むべくもないが
[02:28.70] 繁殖するだけなら何の問題もない。
[02:32.11] にもかかわらず人口グラフが右肩下がりなのは
[02:36.84] ひとえに、人間という種から意欲が失われたからだ
[02:43.02] やる気と言ってもいい。
[02:45.85] 進化の道を突き進むには燃料が必要で
[02:50.04] 人間はその燃料を使い切った。
[02:53.65] 生命の例に漏れず
[02:55.89] 我々とて自己保存を基本としていたが。
[03:00.09] その基本装置を動かす為に必要なものがあるとは
[03:04.03] 誰も気付かなかったのだ。
[03:07.49] そういった熱量はひとりひとりのものではなく
[03:11.66] 種全体で消費するものだった。
[03:15.55] はじめから総量が決まっていたのだ
[03:19.58] 当然だろう。
[03:21.48] 形而上のものであれ
[03:23.67] この宇宙に無限の資源など存在しない。
[03:28.17] 我々の宇宙は閉じており
[03:30.86] 最後には無に帰る事で
[03:33.25] 帳尻を合わせるのだから。
[03:36.42] それでも種を存続させよ
[03:38.36] うと努力する人々がいた。
[03:41.13] 私はその一員として
[03:43.57] 都市の住民権を与えられた。
[03:47.89] 復興は大きく
[03:49.94] 蘇生と維持のセクションに分けられる。
[03:53.40] 蘇生セクションは感受性や文明の復活を。
[03:58.07] 維持セクションは文字通り
[04:00.20] 失われていくものを押しとどめる。
[04:03.05] それは技術の話でもあり
[04:06.45] 命の話でもある。
[04:09.23] 自殺を未然に防ぐのが
[04:11.87] 維持セクションの主務だった。
[04:16.27] 私は維持セクションに回された
[04:19.79] 人類を維持する為に娯楽は必要だ。
[04:23.58] ぶらさげられた人参としてではなく
[04:26.47] 文明の水準向上に
[04:28.55] これほど有効な手段もない。
[04:31.86] 通信、ネットワークは
[04:34.49] 人々が生きる上でもっとも重要で
[04:37.36] かつ基本的な“娯楽”だった。
[04:40.50] 私はその管理と
[04:42.52] 発展を任された最後の一人だ。
[04:46.86] 私の生まれた年代は
[04:49.50] 遺伝子操作による優秀種
[04:52.63] デザインベビーが試された年代でもある。
[04:56.53] 成功例はゼロ。
[04:59.06] 彼らは生まれた直後
[05:01.02] 自ら呼吸を止めて永眠した。
[05:05.13] もういい
[05:06.56] そこまでして続けたくない
[05:08.89] という人類の総意だと
[05:11.42] ある科学者は嘆いたという。
[05:15.40] 試みは次の段階に入った
[05:18.28] 意識の働きで心臓が止まるのなら
[05:21.32] 本人の意思では止まらない心臓を作ればいい。
[05:25.61] 本当の意味で機械的な人間をデザインすれば
[05:29.78] 彼らは生きることを余儀なくされる。
[05:34.04] その試みは何件か成功した
[05:37.70] 多少の不具合……五感
[05:41.29] 人としての感性に
[05:43.11] 何らかの障害を引き起こしたが
[05:45.90] 生物学的には間違いなく人間だった。
[05:49.69] そうであると私は聞かされている。
[05:53.97] ともあれ
[05:55.23] 飽くなき探求心
[05:57.18] 不屈の精神の賜だ。
[06:00.29] 人類がこの惑星で
[06:02.11] もっとも栄えた理由の一つを。
[06:04.51] 蘇生セクションのスタッフは
[06:06.36] まだ維持していた。
[06:09.72] 私は彼らのようにはなれなかった。
[06:14.94] 音を、会話を知らない私にとって
[06:18.45] 世界はもっとシンプルであってほしかった。
[06:22.13] 情報の海を広げる作業中
[06:25.22] 宇宙開拓の名残を見付けた。
[06:28.98] 帰ることを考えなければ
[06:31.29] 月への航路は幾つか残されていた。
[06:35.76] 私が月を目指したのは
[06:38.62] それだけの理由である。
[06:42.43] ロケットを修復し
[06:44.45] 造りかえ
[06:45.97] 自分の体も少しずつ
[06:48.28] 宇宙飛行に堪えられるよう調整した。
[06:52.17] 復興を掲げながらも
[06:54.47] 病的なまでに他人に無関心な都市の人々は
[06:58.63] 私の作業に注意を払わなかった。
[07:02.75] 役割さえこなしていれば
[07:05.22] 誰も私生活には干渉しないのだ。
[07:08.80] 私は二度とは脱げない宇宙服に着替え
[07:13.08] ロケットに乗る時でさえ
[07:15.17] 戸惑いは浮かばなかった。
[07:18.38] 故郷に戻れない事への恐怖はない
[07:22.12] 宙に昇ってからの不安もない。
[07:25.87] 月面都市に生命反応はないが
[07:28.54] 施設はいまだ稼働している。
[07:31.40] 最低限の生活水準は保証されており
[07:34.83] また、見積もりが甘ければ甘いで
[07:38.07] 愚か者が一人死ぬだけである。
[07:41.96] ロケットは地球の表面を二回ほど回ってから
[07:45.89] ゆるやかに月の重力圏に入った。
[07:49.90] その過程で
[07:51.48] かつて暮らしていた世界を見下ろす事になった。
[07:56.42] 胸に飛来したものは強烈な罪の所在だ
[08:02.58] 私は人間を憎んでいる訳ではない
[08:05.80] ただ、彼らと関わりを持ちたくなかっただけだ。
[08:13.00] 人々の希望になるよう願われて生を受けたが
[08:16.99] 私は、自分の事だけで精一杯だった。
[08:22.02] 私にはネットワークと
[08:24.21] 自分と、狭い部屋が一つあるだけでいい。
[08:29.58] 音のない世界で
[08:31.66] 情報を目で追っていれば幸福だった。
[08:35.29] 月でなら誰に邪魔をされることなく
[08:38.58] ひとりで引きこもっていられるだろう。
[08:41.95] 私は何を、誰を殺した訳でもない。
[08:47.54] ただ自分と、人間を見捨てただけ。
[08:52.21] 何もかもが面倒になって
[08:54.69] 相互補助の繫がりを
[08:56.99] 物理的に断ったのだ。
[09:01.95] 月面への到達には
[09:04.38] 多少の手間が必要だった。
[09:07.76] 地球からの観測で判明していた事だが
[09:10.97] 月の大部分は氷の膜で覆われていた。
[09:15.83] 月面に造られた七つの都市を守るようにできた
[09:19.43] 青い天蓋だ。
[09:21.98] 地上から飛び立つ時
[09:24.13] もっとも手間を取らされたのが
[09:26.24] この侵入経路の算出である。
[09:29.76] 氷の傘の隙間にすべりこむ突入経路の計算に
[09:33.89] 一月を費やした。
[09:37.02] 個人的な所感だが
[09:39.20] 計算にとり組めばとり組むほど
[09:42.33] この氷の用途は測れなかった。
[09:45.68] いかなる意図で造られたものか
[09:48.20] 責任者がいるのなら問いつめたいと
[09:51.02] 不満をこぼしたほどだ。
[09:53.74] もっとも
[09:55.36] その不満を聞き届ける者は
[09:57.75] もういない。
[10:00.07] 月の表面に降り立ち
[10:02.14] 都市部に入る。
[10:04.06] 生命反応はない
[10:06.32] 七つの都市は
[10:07.74] そのすべてが墓標だった。
[10:11.15] 電気の明かりだけが
[10:12.88] 灰色のモニュメントにまたたいている。
[10:16.71] 上空を見上げると
[10:18.60] 厚い氷壁の中で太陽光がゆらめいている。
[10:23.90] ヒトのいない建物は岩礁のように
[10:26.96] 仄暗いブルーに沈みこんでいる。
[10:30.84] これでは月面というより海底だ。
[10:35.83] ふと、宇宙服に包まれた手を見下ろした。
[10:41.22] 月面での生活用にふくれあがったソレは
[10:44.48] ブリキの潜水服そのものだ。
[10:47.92] 私は昇ってきたつもりで
[10:50.61] 月の底に落ちてきたらしい。
[10:54.62] ともあれ、まずは資源の確保が重要だ。
[10:59.98] 月の第五都市マトリを拠点にして
[11:03.22] 月の裏側に向かった。
[11:06.37] 七つの都市に水素を
[11:07.87] 提供する炉心がある為である。
[11:11.23] しかし
[11:12.99] 私はそこで
[11:15.04] 一度だけ自分の正気を疑った。
[11:20.03] 地上からでは決して
[11:21.28] 観測できない月の裏側は
[11:24.00] 灰色の森だった。
[11:27.38] 石灰で出来た樹木
[11:29.87] ソラを覆う分厚い氷。
[11:32.44] その中心
[11:34.55] 主要元素である
[11:36.10] 水素、炭素、酸素、窒素を提供する炉心に
[11:41.77] まさかこんなモノがいようとは。
[11:45.51] 唐突にひとつの童話を思い出す
[11:49.24] 最後に涙になって溶けるのは
[11:52.12] アンデルセンの人魚姫だったか。
[11:57.03] それは限りなく人間に近い造形をしていた。
[12:02.35] 青い光に照らされた生身の少女
[12:06.19] 亜麻色に輝く髪と
[12:08.74] 滑らかな石質の肌。
[12:11.51] 白い、一点の汚れもない雪の花を連想させる。
[12:18.17] 身じろぎもせず
[12:20.20] 穏やかな瞳だけが
[12:22.38] 眩しそうに私を見つめていた。
[12:26.26] 少女は美しく、また、ヒトではなかった。
[12:33.05] どのような繊維で造られているのか
[12:35.81] 少女は古い着物を着せられていた。
[12:40.20] そう、着せられている
[12:43.99] 決して自ら着飾ったものではないだろう。
[12:49.17] 少女は湖底に座り込み
[12:51.48] 両手を左右に
[12:53.02] ゆったりと地面に下ろしていた。
[12:55.77] その先端は存在しない。
[12:58.71] 少女の両手は月の大地に融け
[13:01.92] 直結している。
[13:04.87] 彼女の腕は
[13:06.53] 肘のあたりから黒く変色し。
[13:09.48] 鉱物の鋭さをもって
[13:11.70] 大地と一体化しているのだ。
[13:15.23] さながら
[13:16.97] 地面から伸びた柱のようだ。
[13:19.95] その腕で服を着る事はできない。
[13:23.69] これはのちに知った事だが
[13:25.89] 彼女の研究者の一人が
[13:28.36] むき出しでは可哀想だと
[13:30.30] ドレスを着せたらしい。
[13:32.94] コレを人間扱いする方が
[13:35.04] 倫理に反すると
[13:36.90] 仲間からは軽蔑されていたようだが
[13:40.03] 私も同じ意見だ。
[13:43.87] ソレは囚われているとも
[13:46.94] 守られているとも取れた。
[13:50.12] 醜いものと
[13:51.75] 美しいものが混ざり合った姿。
[13:57.09] 少女は私と同じく
[13:59.43] 突然の来訪者を警戒しているようだった。
[14:03.31] 私の第一印象は言うまでもなく
[14:07.03] 「待ってくれ
[14:08.43] 話が違う
[14:10.00] なんだって月面に宇宙人がいる?」
[14:13.96] 月に来れば
[14:15.43] ひとりきりになれると思ったのに!
[14:19.87] 訂正すると
[14:21.61] 少女は宇宙人ではなく
[14:24.16] れっきとした地球圏の生命だった。
[14:28.37] 月面都市に残った資料によると
[14:31.55] 彼女は星を効率よく運営する為の
[14:35.12] 入力装置だった。
[14:38.13] 星を一つの生命として捉え
[14:40.91] その魂を摘出し。
[14:43.55] 珪素生命として安定させたものだという
[14:48.03] 魂と書かれているが、要するに脳だろう。
[14:53.60] 惑星には肉体と心臓にあたる部位はあるが
[14:57.73] 脳にあたる器官が存在しない。
[15:01.48] 月の技術者たちは
[15:03.51] 脳を人工的に造る事で。
[15:06.36] この星を自在に運行する
[15:08.28] 命令体を作り上げたのだ。
[15:11.53] そのような大それた生き物に
[15:13.69] 近づくのは抵抗があったが。
[15:16.38] 生存に必要な物資は
[15:18.66] 彼女の周囲から摘出される。
[15:22.38] 水素も電源も
[15:24.58] 彼女が居る森に
[15:25.96] 直接取りに行かねばならない。
[15:29.01] 自然、どうしても目が合ってしまう。
[15:33.39] 月に水が湧くのはここだけだ。
[15:37.38] 十二時間ごとに補充しに行き
[15:39.94] 一時間ばかり
[15:41.38] 少女の傍で森を眺める事になる。
[15:45.91] 少女は一歩も動かず
[15:48.18] また
[15:49.20] こちらとコミュニケーションを
[15:50.80] 図るような事はなかった。
[15:54.18] 珪素生命
[15:56.50] ――石で出来ている彼女は。
[15:58.75] 我々からすれば
[16:00.49] タイムスケールの違う
[16:02.09] 永劫不滅の生命だ。
[16:05.02] 私のように不完全な命ではない。
[16:09.90] 百十二回目の補充。
[16:12.95] 単純な労働だが苦痛はない。
[16:16.31] どうにも
[16:17.64] 私はこの森が気に入っているらしい。
[16:22.73] 地球の森は生命力が強すぎて
[16:25.70] 私には毒がありすぎた。
[16:28.84] この森は清潔だ
[16:31.37] 何より音がない。
[16:34.39] この近くに施設があったなら
[16:37.01] 迷わず移住していただろうに。
[16:40.94] タンクを地表に打ち込んで
[16:43.12] 必要なだけの元素を摘出する。
[16:47.32] その間
[16:48.60] 私は少女の傍に座って
[16:51.14] 情報を提供する。
[16:54.83] 少女が望んだ訳でもないし
[16:57.53] そもそも私たちに意思の疎通はない。
[17:01.67] これは私が自発的に行う等価交換だ。
[17:06.92] 私が彼女に返せるものは情報だけなので
[17:10.63] 物語を聞かせる事にした。
[17:13.52] 完全な自己満足である。
[17:17.14] 「……しかし、なんだな。
[17:20.62] 人のカタチをしているからといって
[17:23.42] 人間の文化を押しつけるのは
[17:25.11] 傲慢ではないだろうか」 
[17:28.73] 待ち時間の手持ち無沙汰から
[17:31.01] 私は少女のドレスに手をかけた。
[17:34.45] 姿が同じというだけで
[17:36.73] 人間の都合を押しつけるのは
[17:38.92] どうかと思ったのだ。
[17:42.13] 彼女も迷惑だろうと
[17:43.88] ドレスを脱がしにかかったところ。
[17:47.12] 気が付くと
[17:48.46] 腹部に強烈な衝撃が走り抜けた。
[17:52.52] 動かないはずの少女の腕が
[17:55.22] 滑らかに稼働した歴史的瞬間だった。
[18:00.72] 三キロメートル近く大気を滑っただろうか
[18:04.66] マスドライバーもかくやといったところ。
[18:08.73] 岩山にひっかからなかったら
[18:10.96] 間違いなく虚空に飛び出していた。
[18:14.68] 人間ではない知的生命体は
[18:17.26] 二種類に分けられる。
[18:19.46] エイリアンとインベイダーだ。
[18:23.67] 彼女が宇宙人ではない事は判明していたが
[18:26.92] 侵略者でもない事を祈るしかない。
[18:31.71] 「昨日は申し訳ない事をしたが
[18:34.32] そちらも反省してほしい。
[18:36.96] ここが地上なら
[18:38.70] 今ごろ君は檻の中だ。
[18:41.45] 君には少し
[18:43.14] 人間がどれほど脃いかを学んでほしいと思う」
[18:48.06] 四十八時間後。
[18:50.77] 私は新しい作業用車両を調達して
[18:54.14] 少女と対峙した。
[18:56.56] 正直危険に満ちていたが
[18:59.82] 十二時間ごとに命のやりとりをするのは遠慮したい。
[19:04.40] 交渉による平和的な関係を築くべきだ。
[19:09.38] 会話はできずとも
[19:10.98] 意向を伝える程度はできるだろう
[19:13.37] と考えての事である。
[19:16.17] 月の住人たちが
[19:17.50] 少女を通じて星を運営していた以上
[19:20.86] 彼女には外部入力機能があるはずだからだ。
[19:25.91] 手振りで
[19:26.99] 先ほどの行為はもうしない、と示すと。
[19:30.84] 彼女は一時間ほどかけて首を縦に動かし
[19:35.49] こちらの謝罪を受け入れた。
[19:39.39] かくして
[19:40.63] インベイダー危機は去った。
[19:43.39] 少女とはこれからも
[19:44.88] 十二時間ごとに顔を合わせる事になるが
[19:48.27] 人間ではないので問題はない。
[19:53.16] 「ヒトが死を怖がるのは
[19:55.15] 死にたくないからじゃない。
[19:57.57] 増えなくてはいけないから
[19:59.83] その前に死ぬことを怖がるんだ」
[20:03.59] 月の森で
[20:05.24] 私は一方的に話を聞かせた。
[20:09.40] 人間がなぜ死を禁忌するのか
[20:13.14] 生命は自己保存を原則とする。
[20:17.41] 我々の体の設計図である遺伝子は核酸
[20:21.77] 即ちDNAだ。
[20:25.41] 紐状の二重螺旋で知られるこの暗号は
[20:28.94] 完全な対構造になっている。
[20:32.90] 開始と終点を描いた紐を
[20:35.68] 上下逆に合わせたものだ。
[20:38.88] これらは一本で生命の設計を
[20:42.28] もう一本がその複製を担っている。
[20:46.28] どちらかが失われても
[20:48.57] 残ったもう一本が存在を受け継ぎ
[20:51.77] 生命活動を続けていく在り方だ。
[20:56.14] 我々は根本からして
[20:58.43] “自分を残す”ことを最優先に設計されている。
[21:04.12] 「増えること。
[21:05.96] 子供を作る
[21:07.56] ということは自分の遺伝子の引き継ぎ
[21:11.17] 永続を意味するからね。
[21:13.60] 本来
[21:14.88] 生き物は子供を作った段階で用済みになる。
[21:19.25] より優れた自分の複製が生まれた以上
[21:22.35] 古い遺伝子を生かすのは資源の無駄だ」
[21:27.23] 自分にあった異性を選ぶ
[21:30.08] より美しい配偶者を求めるのは
[21:33.08] 心による働きではない。
[21:36.10] 自分の複製に
[21:37.83] より優れた遺伝子を配合するための本能だ。
[21:43.22] 我々は遺伝子の運び屋にすぎない。
[21:46.60] 人間に感情があるのは
[21:48.97] それがもっとも効率がよく
[21:51.43] また長続きするシステムだからだ。
[21:56.11] かつて五十億もの繁栄を遂げた鳥がいた
[22:00.25] 高等生物では敵いようのない数。
[22:04.40] 自然界において
[22:06.15] 人間サイズの生き物は
[22:08.10] そこまでの繁殖はできない。
[22:11.06] しかし、結果はこれを上回った。
[22:15.53] 五十億の鳥を食料として消費したばかりか
[22:19.46] 最後には彼等の数すら上回ったのだ。
[22:24.57] 感情、知性は
[22:26.62] 人生を豊かにする為のものではない。
[22:30.66] 種が覇権を握る為の
[22:32.88] もっとも強い武器に他ならない。
[22:37.27] 感情のない機械ではこうはいかない
[22:40.74] 機械は効率だけを良しとする。
[22:43.95] 最適な状態に行き着けば
[22:46.66] そこで進化を止めてしまうだろう。
[22:50.75] 「生命は増え続けなければならない。
[22:53.89] それを済ますまで
[22:55.52] 死が恐ろしくて仕方がない。
[22:58.16] しかし子供さえ育ててしまえば
[23:01.81] 死の幻想から多少は解放される。
[23:05.49] 自分の役割を終えたからね
[23:08.31] あとは好き勝手に生きればいい。
[23:11.41] 種の存続により尽くすのも
[23:14.47] 利益に走るのも、個人の自由だ」
[23:18.86] もっとも
[23:20.65] 地上の人々はその例には当てはまらない。
[23:25.56] 人類は心が強くなりすぎたのだ。
[23:29.27] “あがり”を宣言され
[23:31.30] ほとんどの未来を手に入れた彼らは
[23:34.16] 種の存続に縛られなくなった。
[23:38.14] 自己保存も自己改革も他人事。
[23:42.71] 彼らにとって繁殖は
[23:44.70] 本能や義務ではなく
[23:46.98] すでに趣味の領域に変化している。
[23:51.40] 「それでもまだ
[23:53.33] 趣味であるうちは救いはある。
[23:56.49] それさえなくしてしまったら
[23:59.02] 私たちは生命とは呼べなくなる」
[24:03.77] 少女はあいかわらずピクリとも動かない
[24:08.80] こちらの話が伝わっているかはどうでもいい。
[24:12.50] 補充した物資分のお代は話したので
[24:15.65] 早々に森を後にする。
[24:19.36] 月の森は変わらずに無音で、清潔だ。
[24:24.98] つい足を止めて見入ってしまい
[24:28.09] 振り返ると
[24:29.62] 少女がかすかに手をあげていた。
[24:33.85] 目の前にいる羽虫を摑むような動作だった
[24:37.97] 後に、あれは三十分ほどのタイムラグによる動作と判明したが。
[24:44.32] この時の私には
[24:46.41] 彼女の思惑は測れなかった。
[24:50.46] 「無駄な消費はよくないよ
[24:53.27] このタンク一杯分だけでいいんだ。
[24:56.41] 無制限に使っているけど
[24:58.45] 底をつく可能性だってある。
[25:01.38] 星が枯渇したら
[25:03.62] 君だって共倒れになるんじゃないか?」
[25:07.81] 百八十回目の補充。
[25:11.85] ここのところ元素の生成量が増しているので
[25:15.22] 少女にそれとなく注意した。
[25:18.76] 驚いたのは
[25:20.27] そのおり
[25:21.48] 少女が残念そうに目を伏せた事だ。
[25:25.42] こちらの言葉が伝わっている
[25:28.24] なにより、意思を伝える術を学習している。
[25:33.12] 彼女は私の話からは何も学ばなかったが
[25:37.91] 独自に、私を観察する事で
[25:40.44] 彼女なりの成長を遂げているらしい。
[25:44.70] その時は驚きばかりで
[25:47.10] なぜ、という疑問は浮かばなかった。
[25:51.97] 「手の次は足ときた
[25:54.20] 自立してもいいことはないと思うけど」
[25:58.20] 二百四十回目の補充の頃
[26:01.07] 少女は立ち上がれるようになった。
[26:04.44] 地表と一体化していた手足は
[26:07.28] これで本当に人間と同じものになった。
[26:12.12] まだ立ち上がる事しかできないが
[26:15.28] あの様子では歩きだす日も近いだろう。
[26:19.85] 私にとっては小さなニュースだ。
[26:22.73] それより
[26:24.21] 来る時に見かけた
[26:25.72] 樹木の破損の方が気にかかる。
[26:29.13] この森はお気に入りなのだ。
[26:31.85] ところどころ虫食いでは
[26:33.69] 精神衛生上よろしくない。
[26:37.43] 樹木の補修に没頭する。
[26:40.83] 振り返ると
[26:42.28] 少女は満足げに笑っていた。
[26:45.70] 我が事のように喜んでいるようだった。
[26:49.85] 森の手入れが
[26:51.44] スケジュールに組みこまれた。
[26:55.02] 「不用意に近寄らないように。
[26:57.78] 代えの宇宙服はないんだ
[26:59.95] 壊されたら死ぬしかない。
[27:02.58] ああ、また転んだ。
[27:05.14] ヒトのように歩きたいのなら
[27:07.53] 膝関節を作りなさい」
[27:10.44] 彼女は人間と違い
[27:12.68] 内部に骨格というものがない。
[27:15.79] 骨で器官を覆っている
[27:18.84] 我々とは内と外が逆なのだ。
[27:23.00] そう言う私も
[27:24.87] 今では体の外側を宇宙服で覆っているので
[27:28.84] 彼女と同じような在り方だ。
[27:32.37] 助言をしながら
[27:34.15] 私は彼女に接触を禁じた。
[27:37.45] 安全性の問題だが
[27:39.87] あの指に触れられたくはなかったのだ。
[27:44.09] 歩行するようになって
[27:46.42] ドレスは本来の役割を果たすようになった。
[27:50.67] 石灰の樹木の合間をすり抜ける姿は
[27:54.43] まるで
[27:57.83] “これで、ヒトのように見えるでしょうか?”
[28:02.59] 無音の筈の森に、雑音が響いた。
[28:07.97] なんだろう
[28:09.82] まさか地上からの通信でもあるまい。
[28:13.09] 宇宙服の故障だ
[28:15.23] 都市に戻ったらチェックしなければ。
[28:18.99] 少女はまだ、しつこく木々と戯れている。
[28:24.21] うまく歩けた感想を求められているのだな
[28:27.16] と私は読み取った。
[28:30.31] 「そうだな。
[28:32.49] どちらかというと
[28:34.47] 君の体は珊瑚のようだ」
[28:38.16] どうでもいい独り言に
[28:40.33] 少女は跳ねるようにドレスを翻した。
[28:46.37] 地球時間にしておよそ六ヵ月
[28:49.06] 私は彼女と過ごした。
[28:52.44] ここのところ
[28:53.66] 元素の生成率が低下している。
[28:57.21] 私ひとりが生きていくには十分だが
[29:00.23] 少女の負担になると思い
[29:02.68] 末端の都市から電源を落とす事にした。
[29:06.29] ネットワークはとっくに断っている
[29:10.29] 都市の効率化ができたら再開すればいい。
[29:15.11] 食料も熱量も
[29:17.32] 余分な機能をカットしていけば
[29:19.83] タンク一杯分は必要ない。
[29:22.82] コップ一杯分で
[29:24.68] 十二時間活動できる。
[29:28.48] 月の森も
[29:30.16] その大半が砂に還っている。
[29:33.73] この森が少女の生存可能域なのだろう。
[29:38.01] 森の衰退と共に
[29:40.33] 彼女の活力は失われていくようだった。
[29:44.74] “ごめんなさい。
[29:46.75] 最近はうまく星を動かせなくて”
[29:51.14] 少女が口を動かす
[29:53.90] 真空に伝わる波。
[29:57.93] 宇宙服の故障ではない
[30:00.67] 彼女は声帯まで獲得していた。
[30:04.35] 私には分からない
[30:06.48] なぜ背伸びをする
[30:08.36] と問いただすと。
[30:10.31] “貴方を知りたいのです。
[30:12.71] 貴方に触れたいのです”
[30:16.33] 少女はすがるような目をして
[30:18.86] 声をあげた。
[30:21.06] 録音したが
[30:22.70] 私には解読できない。
[30:25.87] 少女の声はどの言語にも該当しない。
[30:30.94] 記録した音をテキストに置き換えても
[30:33.97] そこには文字の羅列があるだけだ。
[30:38.17] 私にとって
[30:39.90] 音による言葉は
[30:41.64] どれもが異国の唄と同じだった。
[30:45.77] 「君は成長を続けているな。
[30:49.30] 前にも話したけれど
[30:51.49] 自己保存と改革は生命の義務であり証だ。
[30:57.11] しかし、君の進化はいい方向には進んでいない
[31:02.04] なんだってそんな、不便な体を」
[31:06.25] “そんな小難しいコトはどうでもいいのです
[31:10.11] ただ貴方と話したいだけなのです”
[31:14.98] 少女は胸に手を当ててこちらを睨む。
[31:18.61] まるで、自分の体はここにある
[31:21.40] と言いたげな視線だった。
[31:24.97] この時の私の心境は
[31:27.68] 今でも解析できない。
[31:31.29] 背中から切りつけられたような冷えた痛みと
[31:34.91] 心臓をじわりと握りしめられたような
[31:38.48] 小さな熱。
[31:41.32] 星を見下ろしていた時に感じた
[31:44.42] 不可思議な心の動きと同じだった。
[31:49.08] 少女のそれは
[31:50.97] 心と呼ばれる生体機能だ。
[31:55.03] 彼女には感情が生まれていた。
[31:58.64] もうとっくに気付いていた
[32:01.20] 目を背けていただけだ。
[32:04.27] この生命は環境に合わせて成長するのではなく
[32:08.46] 自身の願いを軸に成長する道を選んだのだと。
[32:14.46] 「そうか。君は、ヒトのカタチになりたいんだな」
[32:21.30] 彼女は力強く頷いた。
[32:25.53] 伝え合う事のできない我々にとって
[32:28.63] たった一度きりの相互理解だったと思う。
[32:33.72] 彼女が私に危害を加えなかった理由は
[32:37.53] 私の姿を参考にしようと思ったからだ。
[32:41.65] 彼女が私に笑いかけるのは
[32:44.64] 私に向けられていた好意は
[32:47.56] しかし、愛情によるものではない。
[32:52.11] 単に、この少女が他の人間を知らないだけだ。
[32:59.13] 時間は過ぎていく
[33:02.31] 彼女の変異はもう止めようがない。
[33:06.53] 少女は炭素生命へと変わろうとしている。
[33:11.10] その先にあるものは不可逆の
[33:13.76] 種としての脆弱化だ。
[33:17.08] 月の資源も失われつつある。
[33:20.69] 彼女が星の頭脳体としての機能を失う事で
[33:24.59] 月は死の世界に戻ろうとしている。
[33:29.27] ハロー、キャプテン?アームストロング。
[33:33.49] 人類で初めて月に行った彼が降りる前の
[33:37.60] 人間が住むべきではない、正しい姿に。
[33:43.14] 少女は死に向かって転がり始めた。
[33:47.76] 彼女がヒトに近づけば近づくほど
[33:50.76] 星は彼女を見放すのだ。
[33:55.24] 彼女がヒトに焦がれれば焦がれるほど
[33:58.83] 私は熱を失うのだ。
[34:02.87] ……ああ、それでも。
[34:06.94] あの美しい石が生命である事を望むのなら
[34:11.32] それを叶えてやらなければ。
[34:16.16] ロケットの修理に着手する。
[34:19.48] 今のうちに
[34:20.68] できるだけの資源を確保しておく。
[34:24.70] 七つの月面都市は
[34:26.69] そのすべてが海の藻屑となるだろう。
[34:30.33] 私は自分にできる事をする。
[34:34.20] もちろん自己保存が最優先だ。
[34:37.26] そこを間違っては
[34:39.04] 教授したものとして
[34:40.72] 彼女に合わせる顔がない。
[34:43.98] 少女は日の八割を睡眠に費やしていた
[34:48.70] 眠る少女を抱きかかえる。
[34:51.92] あれほど触れる事を禁じていたが
[34:54.79] やはり、宇宙服越しでは何の感触もない。
[35:00.25] だから、この数値だけを覚えていよう。
[35:05.19] 無重力の海では、数値だけが確かな記録だ。
[35:11.97] 森から都市に連れ出したところで
[35:14.78] 少女は目を覚ました。
[35:17.32] 意思は通じずとも
[35:19.26] 何をしようとしているかは理解できるのだろう。
[35:23.09] 少女は抵抗したが
[35:25.15] もう以前ほどの力はない。
[35:29.29] 少女はしつこく暴れた後
[35:31.66] 睡眠に戻った。
[35:34.68] 一人乗りのロケットに彼女を寝かせる。
[35:38.78] なぜか、五分で済むことに
[35:41.75] 何倍もの時間を要した。
[35:45.46] 安全性は確保したが
[35:47.61] 後で恨まれるだろう。
[35:50.42] なにしろ空中分解を前提にしたアプローチだ。
[35:54.65] 成層圏にさえ入ればいい
[35:57.85] あとは脱出ポッドで海に落とす。
[36:01.19] 弱っているとはいえ
[36:03.13] 彼女はいまだ星の分身だ。
[36:06.46] その体、外殻は即座に環境に適応する。
[36:12.64] 多少は苦痛だろうが
[36:14.61] そこは大目に見てほしい。
[36:17.84] さて、発射まであと二分程度。
[36:23.63] 月に残った資源の八割を消費する
[36:26.91] 一大プロジェクトだ。
[36:29.17] もともと彼女のものなので
[36:31.80] 惜しいという気持ちもない。
[36:35.53] センサーが波を拾う。
[36:38.28] ロケットの中で
[36:39.90] 壁を叩く音がする。
[36:43.24] 覗き窓には
[36:44.73] もうくすんでしまった
[36:46.43] 亜麻色の髪が見えた。
[36:49.99] やる事もないので
[36:52.12] いつも通り
[36:53.71] 私は彼女に話しかける。
[36:57.35] 「落ち着いて
[36:59.63] 君に、私はもう必要ない。
[37:03.33] その心は人恋しいだけなのです
[37:08.02] ですから、あの星に落ちなさい
[37:11.61] あそこには君の望む全てがある」
[37:16.83] “違うのです
[37:19.40] 私は人間に恋をしたのではありません
[37:23.08] 貴方に恋をしたのです”
[37:26.70] 「気遣いはいらない。
[37:29.22] これから僕は
[37:30.95] かつての君と似たようなものになる。
[37:35.06] 資源が途絶える以上
[37:36.98] 人間としてはやっていけないからね。
[37:40.60] もともと
[37:41.87] そういう風になる予定だったんだ、僕は。
[37:46.43] だから
[37:48.26] 以前までの君と同じく
[37:51.02] 寂しくはなくなるよ」
[37:54.03] “それも違うのです
[37:56.67] それではいずれ
[37:58.31] 貴方の方が人恋しくなる”
[38:02.40] 唄は、私には分からない。
[38:07.83] それでも不思議と
[38:09.29] 不快ではない波だった。
[38:13.25] 壁を叩く音は強くなる一方だ。
[38:17.76] まさか突き破ってこないだろうな
[38:20.53] と思って、私はつい笑ってしまった。
[38:26.48] 私は計画の中止を懸念したのではなく
[38:30.75] そんな事をしでかした場合の
[38:33.39] 彼女の健康を案じたのだ。
[38:37.30] 普段の私からは考えられない行為
[38:40.64] いや、それこそ間違いだ。
[38:44.50] この星にきてからずっと
[38:46.69] 自分はあの少女の為に活動してきた
[38:50.71] あの少女を想わない日はなかった。
[38:50.91] だから別に
[38:56.49] 今の心の働きは珍しい事でもない。
[39:01.59] 自分がそうでありたいと願った
[39:04.65] この星で繰り返してきた
[39:07.51] 忘れがたい日常だ。
[39:11.26] 「……ああ。
[39:13.10] 以前、生命の定義の話をしたね。
[39:17.88] 増えることを放棄したものは
[39:20.30] 生命ではないと
[39:22.77] その通りだ。
[39:25.55] 君が生命になるというのなら
[39:28.56] 子孫を残さなければいけない」
[39:31.98] “待ってください。
[39:33.92] せめて最後に
[39:35.63] 一度だけでも
[39:37.52] 貴方と話がしたいのです”
[39:40.95] この少女を地球に落とす判断は悪だ
[39:45.68] 人類にとどめをさす行為かもしれない。
[39:49.60] が、もともと私の人類愛は故障している。
[39:55.35] だからこそ、こんな世界にやってきた
[39:59.97] だからこそ、こうやって失う時にしか
[40:04.58] 心の所在に気付かなかった。
[40:08.30] 罰のように思い出す
[40:11.51] 私はそういう人間だったのだと。
[40:17.22] 「人間がイヤで
[40:19.59] 何もかもを見限って
[40:22.05] 月に昇ってきたのです。
[40:25.89] そんな私が
[40:28.04] 人を愛する訳にはいきません」
[40:32.81] 多くの人々と同じ
[40:35.53] 弱く、身勝手な人でなし。
[40:40.17] そんな機械に
[40:42.55] 他人を思いやる機能はないとしても
[40:49.88] 「――でも、君に恋をした」
[40:56.70] 幸福の意義など考えずに
[40:59.76] 貴方には穏やかであってほしいと
[41:02.90] 身勝手にも願ったのだ。
[41:07.35] 目を覆う光と熱
[41:11.06] ロケットは尾を引いて
[41:13.39] 暗い星に落ちていく。
[41:17.01] 舟は虚空に。
[41:20.45] 私はそれを
[41:22.24] レンズ越しに眺めている。
[41:27.86] 星が去っていく
[41:31.28] 君が去っていく。
[41:35.37] 私は今
[41:37.91] かつてないほど人間的だ。
[41:42.65] そうか。
[41:45.88] 恋を知る為に
[41:48.23] 私は月に昇ったらしい。
[41:51.45]
[41:54.12] (四)
[41:56.34] 今年の寿命も数えるほど
[42:00.09] 十二回目の満月の夜。
[42:03.40] あと十日足らずで今年は用済みで
[42:06.45] また、あてのない一年をはじめていく。
[42:11.39] わたしは高台から
[42:13.42] 三日月に灯る海岸線を眺めている。
[42:17.69] 今夜は一段と明るい海
[42:21.13] 吹く風は温かくも冷たくもない。
[42:25.94] 冬という季節は
[42:27.82] この島には無縁のモノなのだ。
[42:31.99] 「空に水、水に空。
[42:35.20] 月の空には砕け散った海がある」
[42:40.47] 一説によると
[42:42.39] この島に緑が蘇ったのは
[42:45.46] 島の近くに隕石が落下してからだという。
[42:50.59] その後
[42:51.97] 月の珊瑚と呼ばれる
[42:53.83] 新しい海洋世界ができあがった。
[42:58.02] ちなみに最初のおばあちゃんは
[43:00.38] 亡くなる間際
[43:02.06] 海に入ったまま戻ってこなかった。
[43:05.95] 月のいちばん見える夜
[43:08.45] 珊瑚が光るようになったのは
[43:10.87] それ以来という話。
[43:14.24] 「星はまたたく
[43:16.11] 海はさざめく
[43:18.21] 人恋しくて珊瑚は謳う。
[43:21.35] わたしたちは海月みたいに
[43:23.84] ふわりふわりとその日ぐらし」
[43:28.24] 「おや。今夜はまた、一段と元気そうです」
[43:33.76] ブリキの彼は例の小舟と共に現れた。
[43:38.11] かすかな光を撒いて飛ぶ姿は
[43:40.86] ちょっとだけ流星のよう。
[43:44.42] わたしが元気なのは
[43:46.44] 月の満ち欠けの影響だろう。
[43:49.11] ちゃんとご飯も食べているし
[43:51.83] 気持ちの問題もあって
[43:53.66] 今夜は特に調子が良い。
[43:56.39] 反面、彼はやや歯切れが悪い
[44:00.67] 訊ねてみると
[44:02.27] そろそろ食料が切れるのだという。
[44:06.42] 「はいこれ。わたしの本、受け取って。
[44:10.18] その代わり、あの貝殻はいただくわ」
[44:13.92] 「それは良かった。
[44:15.72] 最後にいい取引ができました」
[44:19.57] 舟の甲板がお鍋のフタみたいに開く
[44:24.69] 彼は自分より大きな本を抱えて
[44:27.58] ちまちまと中に入っていく。
[44:30.76] わたしはその隙に
[44:32.49] ちょっとだけ覗き見る。
[44:35.26] 中は別世界に繫がっていた。
[44:39.17] わたしの部屋より広そうな空洞に
[44:41.94] 一面の金銀財宝。
[44:44.69] その真ん中に
[44:46.18] 彼は本をちょんと置いた。
[44:48.78] 少しだけ恥ずかしく
[44:51.20] 少しだけ誇らしい。
[44:54.67] 「最後?貴方、もう島にはやってこないの?」
[45:00.32] 「島というより
[45:02.11] こちらに渡ってくる事自体が難しいのです。
[45:05.98] こう見えて、だいぶん無理をしていまして
[45:09.55] 地球の重力は私には重荷なのです。
[45:13.28] この機体も軽量化したものですし」
[45:17.13] わたしは息を吞んだ。
[45:20.34] 死を迎える今年のように
[45:23.18] 彼もまた
[45:24.77] 回顧録に仕舞われる事なく去っていく。
[45:29.36] 別段、嘆くこともない。
[45:32.83] いまの人類にとって一期一会はスタンダード
[45:37.15] わたしだって情の薄いと評判の一姫さまだ。
[45:42.71] そんなコトで躍起になって
[45:44.87] 引き留めたりこだわったりするのは
[45:46.76] 自分らしく――いや。
[45:51.16] そんなところまで
[45:52.83] 先人の轍を踏んでどうする。
[45:55.69] カタコトでも
[45:57.20] わたしたちは話し合うコトができるのだ。
[46:01.67] 「相談事があるの
[46:03.70] 意見を聞かせてくれないかしら」
[46:07.03] 挑むような気持ちで言うと
[46:09.57] 彼は真面目に向き合ってくれた。
[46:12.97] といっても
[46:14.31] 相談事なんて一つもない。
[46:17.21] あれこれ考えたあげく
[46:19.43] 求婚について相談した。
[46:22.21] 島のしきたり
[46:24.29] 本土からやってくる殿方
[46:25.97] との御簾越しの逢瀬。
[46:28.58] 常識はずれの交換条件を突きつけるコトを
[46:31.97] どう思うか。
[46:34.51] 彼は小さな両手を組んで
[46:37.04] なるほど、と納得声。
[46:40.79] 「貴方は誠実なのです
[46:43.10] そういうヒトを知っています。
[46:45.41] 確かな証がないと
[46:47.21] ヒトを思いやるコト
[46:48.40] も欺瞞だと感じてしまう。
[46:50.91] それは貴方が
[46:52.97] 自分より相手の人生を
[46:54.47] よく考えている結果でしょう。
[46:57.49] 貴方の愛は
[46:59.22] とても人間的なのですね」
[47:02.66] 月が眩しい。
[47:05.44] わたしは何分もかけて
[47:07.83] 目の前にいる鳥を捕まえるような
[47:10.70] 羽虫を摑むような動作で
[47:13.17] 手を持ち上げかけて、押し止めた。
[47:18.64] 「そろそろ時間です
[47:20.52] この周期を逃すと帰れなくなる。
[47:23.91] 読み書きは文化の基本なので
[47:26.21] できるだけ長く覚えておいてください」
[47:30.01] 「そうね。次はもっとうまくなっているわ」
[47:34.55] 「次?」
[47:36.09] 「ええ。もう一冊書く予定ができてしまったから
[47:40.89] さっきの本に新解釈をまぜたものだけど」
[47:44.97] 本当のことだ
[47:47.40] あの貝殻の声を聞いた以上
[47:50.35] 新しい物語を残さないと。
[47:54.06] 「魅力的な案件だ
[47:56.08] 商売上手ですね。
[47:58.72] ちなみに
[48:00.11] 代金はどれほどでしょう」
[48:02.83] 「月のサカナを用意できる?」
[48:06.16] 誰もが逃げだす無理難題。
[48:09.48] その困難さを空想ではなく
[48:12.60] 現実として知っている彼は。
[48:15.75] 「サカナというのは
[48:17.42] 昔の海にいた生命ですね。
[48:20.55] ふむ、月に海を作るのはたいへんそうだ。
[48:24.94] 私には荷が重いですが
[48:27.38] それで貴方と取引ができるのなら
[48:30.14] 損ではないと判断しました」
[48:33.53] 甲板から、にょっきりと舵が伸びる
[48:37.47] 彼は舵をにぎって、西の空に船首を返す。
[48:43.47] 「そうだ。珊瑚の真相は分かりましたか?」
[48:47.79] 「ちっとも。
[48:49.43] でも、おばあちゃんの願いは叶ったみたい」
[48:54.46] その話については、新しい本の中で。
[49:00.06] 「良かった。それを楽しみに、難題を解くとしましょう」
[49:06.32] それでは、と残して、小舟は虚空へと飛んでいった。
[49:13.00] 明日の夜には十六夜の月を横切って
[49:17.30] 遠い空に落ちていくのだろう。
[49:20.95] ふと、美しい声を聞いた
[49:25.85] 貝殻にあった唄が記憶と共に蘇る。
[49:31.01] あれから何百年
[49:33.83] 彼と彼女は永遠の没交渉。
[49:38.69] 月に咲いた花は地上に落ちて
[49:41.51] 平凡なモノになったけれど
[49:43.91] 多くの種を残した。
[49:47.03] 彼の教えを叶えるように。
[49:50.43] 愛は趣味だと彼は言ったけれど
[49:53.57] 本能より優れた趣味もあるらしい。
[49:57.36] だからこそ人々は
[49:59.46] 今まもしつこく生きている。
[50:03.76] 「ああ――」
[50:06.14] 珊瑚が光る理由なんて
[50:08.59] それだけのコトに違いない。
[50:12.30] 最後まで分かり合えることは
[50:14.89] 意思を伝え合うことはなかった。
[50:18.30] 一方通行の恋路
[50:21.17] ひとりよがりの決断。
[50:24.06] でも、互いの幸福だけを祈っていた。
[50:29.96] それで残るものがあるコトを
[50:32.58] 彼と彼女は信じていなかっただろうけど。
[50:38.08] 「なんて、幸せな人たちだろう」
[50:43.70] 彼女の声を口ずさむ
[50:46.51] 懐かしい歌を思い出す
[50:50.16] 触れあえずとも命は遠いそらの彼方に。
[50:57.95] 光る海、謳う珊瑚。
[51:02.79] ――今も、貴方に恋をしている。
歌词翻译
[00:01.48] (三)
[00:03.96] 失读症,属于学习障碍。
[00:09.94] 拥有正常的智力,
[00:12.86] 却无法正确理解文字。
[00:16.42] 在患有失读症的人眼里,
[00:18.34] 文字就像飘浮在水面的油脂。
[00:22.97] 我的耳朵也差不多。
[00:27.06] 天生无法分辨声音的美感。
[00:31.83] 无法理解
[00:33.71] 使用声音传递的信息。
[00:36.93] 对我来说,
[00:38.91] 世界由文字和纹理构成。
[00:42.94] 自诞生到永眠,
[00:45.72] 都与对话无缘。
[00:50.24] 这样的人
[00:51.54] 只能使用这种方式留下记录
[00:54.77] 也是没办法的。
[00:57.24] 她贪婪地学习了许多事物,
[01:00.56] 但是到最后,也没能学会读书写字。
[01:06.74] ◆我出生的时候,西历已经消失了。
[01:12.37] 人类已到晚期,
[01:14.75] 最后能做出的选择只剩下永眠。
[01:19.90] 我的故乡,是得到复兴的第12卫星都市。
[01:24.88] 人口勉强维持在1万人,
[01:27.76] 应该能够称得上是优秀的文明圈吧。
[01:31.43] 那一年,第12卫星都市的死亡人数是1。
[01:37.06] 出生人数是0。
[01:40.65] 这颗行星
[01:42.67] 曾有过在1秒内,1个生命消逝,
[01:46.01] 3个生命诞生的记录。
[01:50.76] 增加的要比减少的要稍微多一些。
[01:54.38] 这就是作为人类的优越性。
[01:59.06] 这种优越性,早已不见踪影。
[02:04.48] 另一方面,地球的环境问题一个接一个得到解决。
[02:09.68] 这并非是由人类解决的,
[02:12.56] 而是这颗行星在长期忍耐以后,恢复原样的结果。
[02:18.59] 太阳、水和空气变得珍贵,
[02:22.16] 却依然遍布大地。
[02:25.44] 虽然再也不可能恢复过去的繁荣,
[02:28.70] 但只是繁殖的话没有任何问题。
[02:32.11] 尽管如此,人口统计图还是在不断地下跌,
[02:36.84] 这完全是因为人类这个物种失去了欲望。
[02:43.02] 也可以说是失去了动机。
[02:45.85] 想要在进化的道路上前进需要燃料,
[02:50.04] 然而人类已经耗尽了这种燃料
[02:53.65] 和所有生命一样,
[02:55.89] 我们也以物种的延续作为基础,
[03:00.09] 但是没有人意识到,想要维持这一基本机制,
[03:04.03] 不能缺少某样东西。
[03:07.49] 这种能量并非属于个体,
[03:11.66] 而是由整个种族共同消耗。
[03:15.55] 从一开始就决定了总量。
[03:19.58] 当然。
[03:21.48] 这是一种形而上的东西,
[03:23.67] 这个宇宙不存在无限的资源。
[03:28.17] 我们的宇宙是封闭的,
[03:30.86] 最后会回归虚无,
[03:33.25] 所以需要让一切合理。
[03:36.42] 即使这样,
[03:38.36] 也有人努力想要延续种族。
[03:41.13] 我作为其中一员,
[03:43.57] 得到了都市的居民权。
[03:47.89] 复兴大致分为
[03:49.94] 复苏和保护2个部门。
[03:53.40] 复苏部门负责复活感性和文明。
[03:58.07] 保护部门正如其名,
[04:00.20] 负责阻止正在消失的事物。
[04:03.05] 这是一项
[04:06.45] 关乎生命和技术的工作。
[04:09.23] 预防自杀
[04:11.87] 是保护部门的主要任务。
[04:16.27] 我被分配到了保护部门。
[04:19.79] 想要维持人类生存,少不了娱乐,
[04:23.58] 并非要把饲料绑在人类的眼前;
[04:26.47] 想要提高文明水准,
[04:28.55] 没有比娱乐更有效的手段。
[04:31.86] 通信和网络
[04:34.49] 在人们的生命中最为重要,
[04:37.36] 在过去,属于是基本的“娱乐”。
[04:40.50] 我则是负责管理与
[04:42.52] 发展这项工作的最后一个人。
[04:46.86] 我出生的那个年代,
[04:49.50] 是一个尝试通过编辑基因,
[04:52.63] 获得优秀物种和基因编辑婴儿的年代。
[04:56.53] 但是成功率是0。
[04:59.06] 他们出生以后立刻就停止呼吸,
[05:01.02] 进入了永眠。
[05:05.13] 已经够了。
[05:06.56] 不需要做到这种地步,
[05:08.89] 这就是全体人类的意见,
[05:11.42] 某位科学家感叹道。
[05:15.40] 实验进入了下个阶段。
[05:18.28] 如果是靠意识停止了心脏,
[05:21.32] 那么制作一个不会被意识停止的心脏即可。
[05:25.61] 只要在真正的意义上设计出机械式的人类,
[05:29.78] 那他们就不得不活着。
[05:34.04] 该实验成功过几次。
[05:37.70] 他们多少有些缺陷…
[05:41.29] 比如在人的感情
[05:43.11] 和五感方面出现障碍,
[05:45.90] 但在生物学上,他们毫无疑问是人类,
[05:49.69] 这就是我所了解的。
[05:53.97] 不管如何,
[05:55.23] 这就是无尽的求知欲
[05:57.18] 以及不屈的精神带来的恩赐。
[06:00.29] 这颗行星上,
[06:02.11] 人类最为繁荣的
[06:04.51] 其中一个原因是
[06:06.36] 因为有复苏部门的维持。
[06:09.72] 我无法和他们一样。
[06:14.94] 无法理解声音与对话的我,
[06:18.45] 希望这个世界变得更加简单。
[06:22.13] 在扩充信息海洋的工作中,
[06:25.22] 我找到了开拓宇宙的痕迹。
[06:28.98] 如果不考虑回地球,
[06:31.29] 还剩下几条能够前往月球的航线。
[06:35.76] 就因为这种理由,
[06:38.62] 我把月球定为目标。
[06:42.43] 修复、
[06:44.45] 重建火箭,
[06:45.97] 调整身体
[06:48.28] 适应太空飞行。
[06:52.17] 在高举复兴大旗的同时,
[06:54.47] 异常对他人漠不关心的都市人
[06:58.63] 完全没有注意到我的工作。
[07:02.75] 只要完成自己的职责,
[07:05.22] 就没有人干涉我的私生活。
[07:08.80] 我穿上再也不会脱下的宇航服,
[07:13.08] 就连登入火箭的时候,
[07:15.17] 也没有一丝犹豫。
[07:18.38] 我没有对无法回到故乡感到恐惧。
[07:22.12] 也没有对升空感到担忧。
[07:25.87] 月面都市没有生命反映,
[07:28.54] 但设施仍在运转。
[07:31.40] 最低限度的生活能够得到保障,
[07:34.83] 虽然我的准备太过儿戏了,
[07:38.07] 但是最多不过是死掉一个蠢货。
[07:41.96] 火箭会在地球表面环绕2周,
[07:45.89] 然后缓缓进入月球的重力圈。
[07:49.90] 在这个过程里,
[07:51.48] 我俯瞰着曾经生活的世界。
[07:56.42] 强烈的罪恶感涌现在胸口。
[08:02.58] 我并非憎恨人类。
[08:05.80] 只是不想和他们有关联。
[08:13.00] 我在人们的期待下诞生,
[08:16.99] 但我顾及自己就已经筋疲力尽。
[08:22.02] 我只需要网络
[08:24.21] 和一间小小的房间即可。
[08:29.58] 在没有声音的世界里,
[08:31.66] 只要能用眼睛追踪信息就足以让我幸福。
[08:35.29] 在月球上,没有人会来妨碍我,
[08:38.58] 可以一个人关在房间里。
[08:41.95] 我并非杀是死了什么、杀死了谁。
[08:47.54] 只是抛弃了自己和人类。
[08:52.21] 一切事物都变得琐碎,
[08:54.69] 互补的联系
[08:56.99] 从物理上被切断。
[09:01.95] ◆想要抵达月面,
[09:04.38] 有几道必须的手续。
[09:07.76] 从地球上可以观测到,
[09:10.97] 月球几乎被一层冰覆盖。
[09:15.83] 这张蓝色顶篷似乎是在守护
[09:19.43] 月面的7座都市
[09:21.98] 火箭从地球起飞时,
[09:24.13] 最麻烦的是
[09:26.24] 计算侵入月球的路径。
[09:29.76] 光是计算闯入冰伞之间的路线,
[09:33.89] 就花了一个月。
[09:37.02] 这是我的感想,
[09:39.20] 越是计算,
[09:42.33] 越难以推测冰面的用途。
[09:45.68] 如果负责人还在,
[09:48.20] 无论建造的目的是什么,
[09:51.02] 我都想要向他发泄不满。
[09:53.74] 当然,
[09:55.36] 已经没人
[09:57.75] 能听我抱怨了。
[10:00.07] 降落月球表面,
[10:02.14] 进入都市。
[10:04.06] 没有生命反映。
[10:06.32] 七座都市
[10:07.74] 全都成为了坟墓。
[10:11.15] 只有电灯的光
[10:12.88] 照射在灰色的纪念碑上。
[10:16.71] 抬头看向上空,
[10:18.60] 太阳光摇曳在厚实的冰层里。
[10:23.90] 无人的建筑就像岩礁,
[10:26.96] 浸泡昏暗的蓝色下。
[10:30.84] 这是名为月面的海底。
[10:35.83] 我突然低头看了看宇航服包裹的手。
[10:41.22] 膨胀在体表的是,
[10:44.48] 在月面生活中需要用的铁皮潜水服。
[10:47.92] 我自以为成功地飞到了这里,
[10:50.61] 实际却是跌入了月球的海底。
[10:54.62] 总之,重要的是先确保资源。
[10:59.98] 我将月球第五都市马特里作为据点,
[11:03.22] 前往月球背面。
[11:06.37] 因为给七座都市
[11:07.87] 提供氢的堆芯就在那里。
[11:11.23] 可是。
[11:12.99] 在这里,
[11:15.04] 我第一次怀疑了自己的精神状态。
[11:20.03] 地球上绝对观测不到的
[11:21.28] 月球背面,
[11:24.00] 居然是一片灰色的森林。
[11:27.38] 石灰筑成的树木。
[11:29.87] 覆盖天空的冰层。
[11:32.44] 在中心位置
[11:34.55] 提供氢、碳、
[11:36.10] 氧、氮等重要元素的堆芯,
[11:41.77] 居然是这样的一个东西。
[11:45.51] 我突然想起了一部童话。
[11:49.24] 好像是安徒生的人鱼公主,
[11:52.12] 在童话最后,美人鱼化作了泡沫。
[11:57.03] 这是一种无比接近人类的造型。
[12:02.35] 沐浴在蓝光下的是,一位活生生的少女。
[12:06.19] 亚麻色的头发散发着光芒、
[12:08.74] 还有光滑的石质肌肤。
[12:11.51] 让人联想到纯白色、没有一丝污垢的雪花。
[12:18.17] 她的身体一动不动,
[12:20.20] 温和的眼神
[12:22.38] 似乎对我放出了耀眼的光。
[12:26.26] 美丽的少女,非人的少女。
[12:33.05] 这是什么材质的呢?
[12:35.81] 少女被穿上了陈旧的和服,
[12:40.20] 没错,是被穿上的。
[12:43.99] 绝对不是她自己穿的。
[12:49.17] 少女坐在湖底,
[12:51.48] 双臂
[12:53.02] 垂放在两侧。
[12:55.77] 但是不存在双手。
[12:58.71] 少女的双手直接融入了
[13:01.92] 月球的大地。
[13:04.87] 她的手臂
[13:06.53] 从肘部开始变成黑色,
[13:09.48] 有着矿物般的锋利,
[13:11.70] 与大地合为一体。
[13:15.23] 宛如
[13:16.97] 从地面上伸出的柱子。
[13:19.95] 这双手没法穿衣服。
[13:23.69] 这是我后来才知道的事情,
[13:25.89] 貌似是有位研究者
[13:28.36] 觉得她全裸太可怜了,
[13:30.30] 所以给她穿上了裙子。
[13:32.94] 但是其他研究者
[13:35.04] 鄙视这种行为,
[13:36.90] 觉得把她当作人类有违伦理。
[13:40.03] 我同意。
[13:43.87] 这不是该被囚禁
[13:46.94] 和保护的东西。
[13:50.12] 混合了
[13:51.75] 美丽与丑陋的姿态。
[13:57.09] 少女似乎与我一样,
[13:59.43] 在警惕突然到访的人。
[14:03.31] 我的第一印象当然是
[14:07.03] 「等等,
[14:08.43] 不对劲。
[14:10.00] 月面上怎么会有外星人?」
[14:13.96] 我还以为到了月球
[14:15.43] 就能自己一个人待着了呢!
[14:19.87] ◆让我订正一下,
[14:21.61] 少女不是外星人,
[14:24.16] 她是货真价实属于地球圈的生命。
[14:28.37] 根据月面都市留下的资料,
[14:31.55] 她是有效管理星球运转的
[14:35.12] 输入装置。
[14:38.13] 将整个星球作为一个生命,
[14:40.91] 取出它灵魂,
[14:43.55] 再稳定在硅基生命中。
[14:48.03] 说是灵魂,其实就是大脑。
[14:53.60] 行星有对应肉体和心脏的部位,
[14:57.73] 却没有对应大脑的器官。
[15:01.48] 月球的技术员
[15:03.51] 通过人造大脑,
[15:06.36] 制造了能够自由操作
[15:08.28] 这颗星球的命令体。
[15:11.53] 要靠近这种狂妄的生物
[15:13.69] 自然会遭到抵抗,
[15:16.38] 但生存所需的物资
[15:18.66] 必须从她的附近获取。
[15:22.38] 无论氢还是电源,
[15:24.58] 必须来到她所在的森林
[15:25.96] 才能获得。
[15:29.01] 所以,我们一定会见到对方。
[15:33.39] 月球上,只有这里会涌出水流。
[15:37.38] 每隔12小时需要补充一次,
[15:39.94] 每次1小时。
[15:41.38] 这时候我会在少女身边,观察这片森林。
[15:45.91] 少女一动不动,
[15:48.18] 也没有
[15:49.20] 要和我交流
[15:50.80] 的意思。
[15:54.18] 硅基生命
[15:56.50] 用石头制作的她,
[15:58.75] 在我们看来
[16:00.49] 有不一样的时间尺度,
[16:02.09] 是永恒的生命。
[16:05.02] 而非我这种不完整的生命。
[16:09.90] 第112次补充。
[16:12.95] 这是一项重复劳动,但我并不痛苦。
[16:16.31] 我好像
[16:17.64] 还挺喜欢这片森林。
[16:22.73] 地球的森林生命力过于顽强,
[16:25.70] 对我来说毒性太大了。
[16:28.84] 这片森林是干净的。
[16:31.37] 尤其是没有声音。
[16:34.39] 如果这附近有设施的话,
[16:37.01] 我会立刻搬进来。
[16:40.94] 我将储罐敲入地表,
[16:43.12] 只抽取需要的元素。
[16:47.32] 这时候
[16:48.60] 我会坐在少女身边,
[16:51.14] 给她提供信息。
[16:54.83] 这并非少女的期待,
[16:57.53] 说到底我们之间也无法沟通。
[17:01.67] 这是我自发的进行等价交换。
[17:06.92] 我能偿还的,只有给她信息、
[17:10.63] 还有给她讲故事。
[17:13.52] 这是完全的自我满足。
[17:17.14] 「……可是,唉。
[17:20.62] 有着人类的外表,
[17:23.42] 就要强加上人类的文化,
[17:25.11] 这是否是一种傲慢呢」
[17:28.73] 因为等待补充的时间过于无聊,
[17:31.01] 我把手伸向少女的裙子。
[17:34.45] 只是外表一样,
[17:36.73] 就会被当作人类,
[17:38.92] 我觉得这不正常。
[17:42.13] 她肯定讨厌这样,
[17:43.88] 正当我准备脱掉裙子的时候,
[17:47.12] 回过神来,
[17:48.46] 腹部已经受到了一股强烈的冲击。
[17:52.52] 历史性的瞬间出现了。
[17:55.22] 少女本该无法动弹的手臂,灵活地动了起来。
[18:00.72] 我是不是被击飞了3公里?
[18:04.66] 这已经称得上是质量投射器了。
[18:08.73] 要不是撞到山上,
[18:10.96] 我肯定已经飞到太空了。
[18:14.68] 非人的智慧生命体
[18:17.26] 分为2种。
[18:19.46] 一种是外星人,一种是星外侵略者。
[18:23.67] 能够确认的是,她不是外星人,
[18:26.92] 至于是否是侵略者,我只能祈祷。
[18:31.71] 「昨天做了对不起你的事情,
[18:34.32] 但我也希望你能自我反省。
[18:36.96] 如果这是地球,
[18:38.70] 你已经坐牢了。
[18:41.45] 希望你能认识到,
[18:43.14] 人类有多么脆弱。」
[18:48.06] 48小时后。
[18:50.77] 我开来了新的工作车辆
[18:54.14] 与少女对峙。
[18:56.56] 说真的,这充满了危险,
[18:59.82] 我不希望每隔12小时都会面临生命危险。
[19:04.40] 应该通过谈判建立和平的关系。
[19:09.38] 我觉得吧,虽然无法直接对话,
[19:10.98] 但是传达自己的意思
[19:13.37] 应该是能做到的吧。
[19:16.17] 既然月球的居民
[19:17.50] 通过少女管理星球,
[19:20.86] 那她应该有接受外部输入的功能。
[19:25.91] 我用手势告诉她,
[19:26.99] 不会再做刚刚的事情了,
[19:30.84] 她用一个小时点了下头,
[19:35.49] 接受了我的道歉。
[19:39.39] 平安渡过
[19:40.63] 侵略危机。
[19:43.39] 虽然依旧要
[19:44.88] 每隔12小时与少女见面,
[19:48.27] 但是她不是人,所以没问题。
[19:53.16] 「人类并非怕死
[19:55.15] 所以不想死。
[19:57.57] 而是害怕
[19:59.83] 无法繁殖就死去。」
[20:03.59] 在月球的森林里,
[20:05.24] 我单方面地与她对话。
[20:09.40] 人类为什么会将死视为禁忌。
[20:13.14] 生命将生存视为准则。
[20:17.41] 基因是我们身体的设计图,
[20:21.77] 它是一种核酸,也就是DNA。
[20:25.41] 这种密码以纽带状的双重螺旋而闻名,
[20:28.94] 有着完全对称的结构;
[20:32.90] 记载着起点与终点的纽带,
[20:35.68] 以一种上下颠倒的样子结合在一起。
[20:38.88] 其中一条负责设计生命,
[20:42.28] 一条负责复制。
[20:46.28] 无论失去哪条,
[20:48.57] 剩下的一条都会继续继承存在,
[20:51.77] 这就是延续生命活动的理想状态。
[20:56.14] 我们从根本上,
[20:58.43] 就被设计为以“留下自己”为最优先。
[21:04.12] 「繁殖、
[21:05.96] 生育,
[21:07.56] 通过这些行为继承基因,
[21:11.17] 得到永恒。
[21:13.60] 按道理来说,
[21:14.88] 生物在完成生育后就结束了使命。
[21:19.25] 既然诞生了更优秀的自我复制体,
[21:22.35] 那么古老的基因继续活着就是在浪费资源」
[21:27.23] 选择适合自己的异性,
[21:30.08] 追求更完美的配偶,
[21:33.08] 并非是人心的决定。
[21:36.10] 而是出于本能,
[21:37.83] 希望自己的复制体能与更优秀的基因组合。
[21:43.22] 我们不过是基因的运输工。
[21:46.60] 人类会诞生感情,
[21:48.97] 是因为这样的系统更有效率,
[21:51.43] 更能持续。
[21:56.11] 鸟类繁荣的时期,数量最高可达50亿。
[22:00.25] 这是高级生物无法匹敌的数量。
[22:04.40] 在自然界,
[22:06.15] 人类大小的生物
[22:08.10] 无法做到这种程度的繁殖。
[22:11.06] 可是,结果却远超这个数字。
[22:15.53] 人类将50亿鸟类作为食物消费,
[22:19.46] 最后远远超过了它们的数量。
[22:24.57] 感情和理性
[22:26.62] 不是为了丰富人生,
[22:30.66] 而是取得物种霸权
[22:32.88] 最有效的武器。
[22:37.27] 没有感情的机器无法做到这种事。
[22:40.74] 机器只在乎效率。
[22:43.95] 人类如果进入了最佳状态,
[22:46.66] 应该会进化成机器吧。
[22:50.75] 「生命必须不断繁殖。
[22:53.89] 在完成繁殖以前,
[22:55.52] 会怕死也是没办法的。
[22:58.16] 但是只要开始抚养孩子,
[23:01.81] 基本能从死的幻想中解放。
[23:05.49] 因为自己已经完成了使命,
[23:08.31] 之后想要怎样活着都行。
[23:11.41] 想要继续为物种的存续尽力、
[23:14.47] 还是追求利益,都是个人的自由」
[23:18.86] 不过说到底,
[23:20.65] 地球上的人根本不符合前面的例子。
[23:25.56] 人类的心过于强大了。
[23:29.27] 他们宣布“游戏结束”,
[23:31.30] 几乎得到了所有未来,
[23:34.16] 解脱了物种的束缚。
[23:38.14] 自我延续和自我改造已经与自己无关。
[23:42.71] 对它们来说,
[23:44.70] 繁殖不再是本能和义务,
[23:46.98] 而是成为了爱好。
[23:51.40] 「即使这样,
[23:53.33] 能称得上爱好的话,还算有药可医。
[23:56.49] 如果连爱好都不是,
[23:59.02] 那我们也不能被称为生命了」
[24:03.77] 少女依旧没有任何反映。
[24:08.80] 无所谓,她有没有听见都行。
[24:12.50] 这只是作为物资的报酬,
[24:15.65] 我趁早离开了森林。
[24:19.36] 月球的森林依旧无声、干净。
[24:24.98] 不知不觉我停下了脚步看得入迷,
[24:28.09] 转身望去,
[24:29.62] 少女微微抬了抬手。
[24:33.85] 像是在抓眼前的小飞虫。
[24:37.97] 之后,过了30分钟,我看清了她的动作,
[24:44.32] 可是当时的我,
[24:46.41] 没能理解她的意思。
[24:50.46] 「浪费资源不好。
[24:53.27] 装满这个储罐就行了。
[24:56.41] 虽然能无限地使用,
[24:58.45] 但也有用完的可能性。
[25:01.38] 如果星球枯竭了,
[25:03.62] 你不也会一起倒下吗?」
[25:07.81] 第180次补充。
[25:11.85] 因为最近元素的产量增加,
[25:15.22] 所以我委婉地提醒了少女。
[25:18.76] 惊讶的是,
[25:20.27] 少女好像
[25:21.48] 很可惜一样,垂下了眼睛。
[25:25.42] 她能明白我的话。
[25:28.24] 更重要的是,她在学习如何传达意思。
[25:33.12] 她没有从我的话里学到任何东西,
[25:37.91] 而是在独自观察我的时候,
[25:40.44] 自己得到了成长。
[25:44.70] 当时的我过于震惊,
[25:47.10] 根本没有思考是为什么。
[25:51.97] 「先是手,然后是脚。
[25:54.20] 就算能站起来,我也不觉得是什么好事」
[25:58.20] 第240次补充的时候,
[26:01.07] 少女已经能站起来了。
[26:04.44] 原先与地面一体化的手脚,
[26:07.28] 现在已经变得完全和人类一样。
[26:12.12] 虽然现在只能站起来,
[26:15.28] 但是看样子,用不了多久就能走路了。
[26:19.85] 这对我来说不过是普通的消息。
[26:22.73] 比起这个,
[26:24.21] 我更在意我来的时候,
[26:25.72] 看到有些树木破损了。
[26:29.13] 因为我很喜欢这片森林。
[26:31.85] 如果全被虫子啃了,
[26:33.69] 有损我的精神卫生。
[26:37.43] 我沉浸在修补树木的工作里。
[26:40.83] 回头望去,
[26:42.28] 少女露出满足的笑容。
[26:45.70] 好像是为我的行为感到开心。
[26:49.85] 修缮树林
[26:51.44] 成为了日程里的一部分。
[26:55.02] 「不要突然靠近我。
[26:57.78] 没有替代的宇航服,
[26:59.95] 要是坏了就死定了。
[27:02.58] 啊,又摔倒了。
[27:05.14] 想要像人一样走路,
[27:07.53] 要用上膝关节」
[27:10.44] 她和人类不一样,
[27:12.68] 体内没有骨骼。
[27:15.79] 而是骨骼覆盖了器官。
[27:18.84] 与我们内外相反。
[27:23.00] 说起来,
[27:24.87] 我现在的状态也一样,
[27:28.84] 体外覆盖着宇航服。
[27:32.37] 我在给她建议的同时,
[27:34.15] 也禁止她与我接触。
[27:37.45] 虽然是出于安全考量,
[27:39.87] 但我确实不想被那样的手指接触。
[27:44.09] 能够行走以后,
[27:46.42] 裙子发挥了原本的作用。
[27:50.67] 她穿梭在石灰树林间的模样,
[27:54.43] 就像在说。
[27:57.83] “现在的我,看起来像人吗?”
[28:02.59] 本该无声的树林,响起了噪音。
[28:07.97] 怎么回事。
[28:09.82] 难道是地球传来的信号。
[28:13.09] 或是宇航服故障。
[28:15.23] 回到都市后需要必须检查一下。
[28:18.99] 少女还在和树玩耍。
[28:24.21] 我想,她应该是想要让我
[28:27.16] 对她灵活的步伐发表感言。
[28:30.31] 「是啊。
[28:32.49] 要我说的话,
[28:34.47] 你的身体就像珊瑚一样」
[28:38.16] 无关紧要的自言自语,
[28:40.33] 让少女小跳着转起了裙子。
[28:46.37] ◆我与她共度了
[28:49.06] 大约6个月的地球时间。
[28:52.44] 最近,
[28:53.66] 元素产出率在下降。
[28:57.21] 对于维持我的生活来说还十分充分,
[29:00.23] 但我觉得会对少女造成负担,
[29:02.68] 所以关闭了边缘城市的电源。
[29:06.29] 网络早就切断了。
[29:10.29] 如果能实现都市的高效化,重开也不迟。
[29:15.11] 如果切断食物、热量、
[29:17.32] 多余的功能,
[29:19.83] 就无需填满储罐。
[29:22.82] 一杯水的分量,
[29:24.68] 就能维持12小时的活动。
[29:28.48] ◆月球的森林,
[29:30.16] 过半还原成了沙子。
[29:33.73] 这片森林应该是少女能够生存的范围吧。
[29:38.01] 随着森林的衰退,
[29:40.33] 她也渐渐失去了活力。
[29:44.74] “对不起。
[29:46.75] 最近没法正常地调动星球”
[29:51.14] 少女活动着口部。
[29:53.90] 振动传播在真空当中。
[29:57.93] 并非宇航服发生故障。
[30:00.67] 她甚至得到了声带。
[30:04.35] 我不明白。
[30:06.48] 我问她
[30:08.36] 为什么要勉强自己做这种事。
[30:10.31] “我想了解你,
[30:12.71] 想要触碰你”
[30:16.33] 少女露出可怜的表情,
[30:18.86] 发出了声音。
[30:21.06] 我能够录下声音,
[30:22.70] 却没法解读。
[30:25.87] 少女的声音不符合任何一种语言。
[30:30.94] 即使把录音转录成文字,
[30:33.97] 也不过是文字排列在一起。
[30:38.17] 对我来说,
[30:39.90] 所有用声音传达的语言,
[30:41.64] 都与异国的歌谣无异。
[30:45.77] 「你不要再成长了。
[30:49.30] 我之前也说过,
[30:51.49] 生命的义务和证据是自我延续和改造。
[30:57.11] 可是你没有向着好的方向进化。
[31:02.04] 因为你有着那样不方便的身体」
[31:06.25] “这种小事根本无所谓。
[31:10.11] 我只是想要和你对话”
[31:14.98] 少女把手放在胸口,然后盯着我。
[31:18.61] 她的视线就像在说,
[31:21.40] 自己的身体就在这里。
[31:24.97] 当时我究竟怀着怎样的心境呢,
[31:27.68] 就算到了现在依旧无法解析。
[31:31.29] 就像身体从背脊开始被切开一样的痛苦与寒冷,
[31:34.91] 就像心脏被逐渐握紧时,
[31:38.48] 产生的温热。
[31:41.32] 就像俯瞰行星时,
[31:44.42] 心里传来那种不可思议的感觉一样。
[31:49.08] 少女出现的是,
[31:50.97] 名为心的生物功能。
[31:55.03] 她诞生了感情。
[31:58.64] 我早就注意到了。
[32:01.20] 我只是一直在无视。
[32:04.27] 这个生命并非与环境一同成长,
[32:08.46] 而是以自己的愿望为核心,选择成长的道路。
[32:14.46] 「是吗,你、想要变成人啊」
[32:21.30] 她用力地点头。
[32:25.53] 我觉得这是无法相互理解的我们,
[32:28.63] 唯一一次做到了相互理解。
[32:33.72] 原来她不伤害我,
[32:37.53] 是因为她想要模仿我。
[32:41.65] 原来她对我笑,
[32:44.64] 对我抱有好感,
[32:47.56] 并非是因为爱情。
[32:52.11] 只是因为她不认识其他人类。
[32:59.13] 时间流逝。
[33:02.31] 已经无法阻止她变异了。
[33:06.53] 少女想要变成碳基生命。
[33:11.10] 这会在物种上
[33:13.76] 导致不可逆转的脆弱化。
[33:17.08] 月球的资源也在渐渐消失。
[33:20.69] 她丧失作为星球大脑的功能后,
[33:24.59] 月球会回到死的世界。
[33:29.27] 哈喽、船长・阿姆斯特朗。
[33:33.49] 月球会回到人类第一次降落月球以前,
[33:37.60] 无法让人居住的正确姿态。
[33:43.14] 少女开始翻滚向死亡。
[33:47.76] 她越接近人类,
[33:50.76] 星球越抛弃她。
[33:55.24] 她越想成为人类,
[33:58.83] 我越失去热情。
[34:02.87] ……啊、可是啊。
[34:06.94] 如果那颗美丽的石头希望成为生命,
[34:11.32] 必须成为生命的话。
[34:16.16] 我开始修理飞船。
[34:19.48] 趁现在
[34:20.68] 尽可能地保存资源。
[34:24.70] 七座月面都市
[34:26.69] 全部成了海里的碎藻。
[34:30.33] 我会尽我所能。
[34:34.20] 当然,自我延续依旧排在第一位。
[34:37.26] 如果不这样,
[34:39.04] 我就没脸见
[34:40.72] 我教出来的她。
[34:43.98] 少女一天有8成的时间在睡觉。
[34:48.70] 我抱起睡梦中的少女。
[34:51.92] 果然,通过宇航服接触不会有任何触感,
[34:54.79] 尽管之前不准她碰我。
[35:00.25] 所以,我要好好记录下这个数值。
[35:05.19] 无重力的海洋中,唯有数值是可靠的记录。
[35:11.97] 我从森林里带她出来的时候,
[35:14.78] 少女醒了。
[35:17.32] 就算无法沟通,
[35:19.26] 应该也能理解我要做什么。
[35:23.09] 少女做出抵抗,
[35:25.15] 但是没有以前大力。
[35:29.29] 少女发完脾气后,
[35:31.66] 又睡着了。
[35:34.68] 我让她睡在了单人乘坐的火箭内。
[35:38.78] 为什么,5分钟就能结束的事情,
[35:41.75] 却花了数倍的时间。
[35:45.46] 我确保了她的安全,
[35:47.61] 但是之后她会恨我的吧。
[35:50.42] 毕竟这个方法会在空中解体。
[35:54.65] 只要能进入平流层即可。
[35:57.85] 之后会通过逃生舱落入海中。
[36:01.19] 即使身体衰弱,
[36:03.13] 她依旧是星球的分身。
[36:06.46] 她的身体或者说外壳,会立刻适应环境。
[36:12.64] 多少会感到痛苦吧,
[36:14.61] 但是希望你能够原谅我吧。
[36:17.84] OK,距离发射还有2分钟。
[36:23.63] 消耗了8成月球剩余资源的
[36:26.91] 庞大计划。
[36:29.17] 本来就是她的东西,
[36:31.80] 所以我完全不觉得可惜。
[36:35.53] 传感器接收到震感。
[36:38.28] 火箭里传来
[36:39.90] 敲击墙壁的声音。
[36:43.24] 舷窗后出现了
[36:44.73] 已经黯淡了的
[36:46.43] 亚麻色头发。
[36:49.99] 已经没我的事了,
[36:52.12] 所以我和以往一样,
[36:53.71] 向她搭话。
[36:57.35] 「安静一下,
[36:59.63] 你已经不需要我了。
[37:03.33] 你现在的感情叫作留恋。
[37:08.02] 所以,你去那颗星球吧。
[37:11.61] 那里有你想要的一切」
[37:16.83] “不对,
[37:19.40] 我并非爱上了人类。
[37:23.08] 我是爱上了你”
[37:26.70] 「我不需要你的关心,
[37:29.22] 接下来,
[37:30.95] 我会像曾经的你一样。
[37:35.06] 资源枯竭以后,
[37:36.98] 我也没法继续做人了。
[37:40.60] 不过从一开始,
[37:41.87] 我就是这么打算的。
[37:46.43] 所以,
[37:48.26] 我会和以前的你一样,
[37:51.02] 不再孤单」
[37:54.03] “不对,
[37:56.67] 这样的话,
[37:58.31] 你总有一天也会爱上别人”
[38:02.40] 我无法理解歌声。
[38:07.83] 但是,我却明白,传来的振动
[38:09.29] 并非无法理解或者让人觉得不悦。
[38:13.25] 敲击声越来越大。
[38:17.76] 难道她会冲出来吗,
[38:20.53] 我不禁露出了笑容。
[38:26.48] 我并非担心计划会中止,
[38:30.75] 而是因为她做出这种事,
[38:33.39] 担心她的身体安全。
[38:37.30] 以前的我,压根不会有这种想法。
[38:40.64] 不,这才不对。
[38:44.50] 自从来到这颗星球,
[38:46.69] 我就一直在为了少女而活动。
[38:50.71] 我没有一天不关心这位少女。
[38:50.91] 所以现在的心境,
[38:56.49] 并不出奇。
[39:01.59] 这就是我在这颗星球上
[39:04.65] 反复经历的、曾经渴望的、
[39:07.51] 难以忘怀的日常。
[39:11.26] 「……啊,
[39:13.10] 以前,我曾和你说过生命的定义对吧。
[39:17.88] 放弃繁殖的生物
[39:20.30] 不能称为生命。
[39:22.77] 没错。
[39:25.55] 既然你成为了生命,
[39:28.56] 那你一定会留下子孙」
[39:31.98] “等等,
[39:33.92] 那怕只有一次,
[39:35.63] 至少在最后,
[39:37.52] 我也想要和你对话”
[39:40.95] 让这位少女降落到地球,是罪恶的判断。
[39:45.68] 这也许是会被人类讨伐的行为。
[39:49.60] 不过,我的爱人功能本就有故障。
[39:55.35] 所以,我才会来到这个世界。
[39:59.97] 所以,我才会像这样,在失去某物的时候,
[40:04.58] 没能发现自己的真心。
[40:08.30] 这些想法就像在惩罚我。
[40:11.51] 告诉我我就是这样的人类。
[40:17.22] 「我讨厌人类,
[40:19.59] 所以舍弃了一切,
[40:22.05] 来到月球。
[40:25.89] 这样的我,
[40:28.04] 没有资格爱人。」
[40:32.81] 我和大部分人一样,
[40:35.53] 软弱、任性、不配做人。
[40:40.17] 哪怕是这样机械的我、
[40:42.55] 没有爱人功能的我。
[40:49.88] 「——依旧,爱上了你」
[40:56.70] 我没有思考过幸福的含意。
[40:59.76] 即使是出于自私,
[41:02.90] 我也希望你能够平平安安。
[41:07.35] 光与热遮住了眼睛。
[41:11.06] 火箭拖拽着尾巴,
[41:13.39] 落向暗淡的星球。
[41:17.01] 小船飘浮在太空中。
[41:20.45] 我透过镜头
[41:22.24] 望着它。
[41:27.86] 星球渐渐死去。
[41:31.28] 你渐渐地离开。
[41:35.37] 现在的我,
[41:37.91] 比以往任何时候更像人类。
[41:42.65] 原来是这样啊。
[41:45.88] 我是为了知晓爱意,
[41:48.23] 才来到了月亮上。
[41:51.45]
[41:54.12] (四)
[41:56.34] 今年剩下的寿命已经屈指可数。
[42:00.09] 今天是第12个满月之夜。
[42:03.40] 还有不到10天,今年就结束了,
[42:06.45] 然后,又会开启一个没有计划的新年。
[42:11.39] 我在岛屿的高处,
[42:13.42] 欣赏着新月点亮的海岸线。
[42:17.69] 今夜的大海比以往更加明亮。
[42:21.13] 吹起的风舒适得恰到好处。
[42:25.94] 冬天这种季节
[42:27.82] 与这座岛屿无缘。
[42:31.99] 「天空映水。水映天空。
[42:35.20] 月空之下,碎海无垠。」
[42:40.47] 据说,
[42:42.39] 这座岛上的绿植之所以复苏,
[42:45.46] 是因为曾经有颗陨石落在了岛屿的附近。
[42:50.59] 在那以后,
[42:51.97] 诞生了全新的海洋世界,
[42:53.83] 名字叫月之珊瑚。
[42:58.02] 随便一提,我的始祖奶奶
[43:00.38] 在快要逝世的时候,
[43:02.06] 进入了海里,再也没回来。
[43:05.95] 珊瑚会在
[43:08.45] 月亮能见度最清晰的夜晚发光,
[43:10.87] 也是在那以后的事情。
[43:14.24] 「群星闪闪放光、
[43:16.11] 大海沙沙作响。
[43:18.21] 恋慕之情令珊瑚讴歌。
[43:21.35] 我们宛如一只只水母,
[43:23.84] 轻飘飘地将日子重复」
[43:28.24] 「哎呀,今晚的你看起来更有活力了」
[43:33.76] 铁皮的他与小船一同出现。
[43:38.11] 飞翔的模样带着微微的光芒,
[43:40.86] 就像流星一样。
[43:44.42] 我会有活力,应该是受到了
[43:46.44] 月亮阴晴圆缺的影响吧。
[43:49.11] 而且我吃还过饭了,
[43:51.83] 今晚的心情
[43:53.66] 真的相当不错。
[43:56.39] 不过,他语气反倒有些奇怪。
[44:00.67] 我试着问了问他,
[44:02.27] 原来,他的食物快吃完了。
[44:06.42] 「嗯,给你。我的书你拿走吧,
[44:10.18] 作为交换,那个贝壳我要了」
[44:13.92] 「太好了,
[44:15.72] 在最后完成了一桩好买卖」
[44:19.57] 小船的甲板像锅盖一样打开,
[44:24.69] 他抱着比自己大的书,
[44:27.58] 一点点搬入里面。
[44:30.76] 我稍微偷看了一下
[44:32.49] 锅盖的缝隙。
[44:35.26] 里面连接着其他的世界。
[44:39.17] 比我房间还大的空间内,
[44:41.94] 堆满了金银财宝。
[44:44.69] 他把书
[44:46.18] 小心地放在了正中央。
[44:48.78] 有点让人害羞,
[44:51.20] 又有点自豪。
[44:54.67] 「你说最后?你不会再来这座岛了吗?」
[45:00.32] 「不要说这座岛,
[45:02.11] 光是来这个地方就很困难了。
[45:05.98] 别看我这样,其实我是在硬撑。
[45:09.55] 地球的重力对我来说是严重的负担。
[45:13.28] 这台飞行器也是轻量化的产物。」
[45:17.13] 我屏住呼吸。
[45:20.34] 就像迎来死亡的这一年一样,
[45:23.18] 他也会
[45:24.77] 不留下任何痕迹地离开。
[45:29.36] 没什么好感慨的。
[45:32.83] 对现在的人类来说,有些东西一辈子只见一次非常正常。
[45:37.15] 就连我自己,也被人称作薄情的公主大人呢。
[45:42.71] 为了这种事
[45:44.87] 激动地挽留对方,
[45:46.76] 根本不像自己…不对。
[45:51.16] 这样的话
[45:52.83] 又会重蹈先人的覆辙。
[45:55.69] 哪怕一两句也好,
[45:57.20] 我们是能够沟通的。
[46:01.67] 「我有事想跟你商量。
[46:03.70] 你能说说你的意见吗」
[46:07.03] 以挑战对方的口气提问,
[46:09.57] 他也会认真地回应我。
[46:12.97] 不过,
[46:14.31] 其实我没有要商量的事。
[46:17.21] 反复思考过后,
[46:19.43] 我决定商量求婚的问题。
[46:22.21] 根据岛上的习俗,
[46:24.29] 我要与远道而来的男士
[46:25.97] 隔着竹帘幽会。
[46:28.58] 你对这种违背常识的不对等条件
[46:31.97] 有什么想法。
[46:34.51] 他的小手交叉在一起,
[46:37.04] 发出理解了的声音。
[46:40.79] 「你很诚实。
[46:43.10] 我确实知道这件事。
[46:45.41] 虽然没有证据,
[46:47.21] 但我觉得
[46:48.40] 体贴也是种欺骗。
[46:50.91] 但是,这是你
[46:52.97] 充分为了对方的人生
[46:54.47] 考虑的结果。
[46:57.49] 你的爱,
[46:59.22] 十分像人类。」
[47:02.66] 月光变得耀眼。
[47:05.44] 我伸出手,
[47:07.83] 像是要抓住
[47:10.70] 眼前的飞鸟或者小虫,
[47:13.17] 最后却又停了下来。
[47:18.64] 「是时候了。
[47:20.52] 错过现在就回不去了。
[47:23.91] 识字是文化的根本,
[47:26.21] 请你务必牢记。」
[47:30.01] 「是啊,下一次我会写得更好」
[47:34.55] 「下次?」
[47:36.09] 「嗯,我打算再写一本书,
[47:40.89] 为刚刚那本书加入新的解释」
[47:44.97] 没错,
[47:47.40] 既然听见了贝壳里的声音,
[47:50.35] 我就必须留下新的故事。
[47:54.06] 「提议很有魅力,
[47:56.08] 你很会做生意嘛。
[47:58.72] 顺便问问,
[48:00.11] 定价是多少」
[48:02.83] 「你能准备好月球上的鱼吗?」
[48:06.16] 让别人逃之夭夭的难题。
[48:09.48] 他却明白,这道难题
[48:12.60] 并非空想,而是现实,
[48:15.75] 「游鱼,
[48:17.42] 是曾经生活在大海的生命对吧。
[48:20.55] 哼哼,要在月球上创造海洋可不容易。
[48:24.94] 对我来说是个重担,但是呢,
[48:27.38] 如果能用来与你交易,
[48:30.14] 我认为并不吃亏。」
[48:33.53] 甲板上,升起了高高的船舵。
[48:37.47] 他握紧船舵,让船头对准西边。
[48:43.47] 「话说。你知道珊瑚的真相了吗?」
[48:47.79] 「完全不知道。
[48:49.43] 但是,奶奶的愿望似乎实现了」
[48:54.46] 关于这个故事,我会写在新书里。
[49:00.06] 「很好,我会怀着期待,解开难题」
[49:06.32] 留下这句道别,小船就飞往了太空。
[49:13.00] 我想,他一定会在明天的夜晚,穿过阴历十六夜的月亮,
[49:17.30] 落在遥远的天边。
[49:20.95] 突然,我听见了美丽的声音。
[49:25.85] 贝壳里的歌谣与记忆一同复苏。
[49:31.01] 自那以后已经过了几百年。
[49:33.83] 他与她再也没有来往。
[49:38.69] 盛开在月球上的鲜花飘落到了地球,
[49:41.51] 即使平平无奇,
[49:43.91] 依旧留下了许多种子。
[49:47.03] 他的教诲似乎实现了。
[49:50.43] 他曾说,爱情是一种爱好,
[49:53.57] 但是,这似乎是比本能更优越的爱好。
[49:57.36] 正因为如此,
[49:59.46] 人们才会顽强地活着。
[50:03.76] 「啊——」
[50:06.14] 珊瑚发光的原因
[50:08.59] 不过如此。
[50:12.30] 到了最后,
[50:14.89] 还是没能相互理解。
[50:18.30] 没有回应的恋爱。
[50:21.17] 自以为是的决定。
[50:24.06] 可是,都希望对方幸福。
[50:29.96] 即使曾经的他们并不相信,
[50:32.58] 但也因此留下了某些东西。
[50:38.08] 「多么幸福的人啊」
[50:43.70] 她轻轻地哼了起来。
[50:46.51] 是一首怀念的歌。
[50:50.16] 即使无法触及对方,但我知道,生命就在遥远的天边。
[50:57.95] 大海闪烁、珊瑚讴歌。
[51:02.79] ——现在,依然爱慕着你。